今夜はオンラインで1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催いたします。
第13回論述試験過去問を活用し直前対策として受講者様とご一緒に学んでいきたいと考えています。
オンラインを通してお会いいただける方、
19時から120分間、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今日は論述問題の【問2】にある、
少し気になる言葉にフォーカスして考えてみたいと思います。
問2 あなたが考える見立てに基づき、相談者Aが「問題」を解決するために取り組むべきことは何か、記述せよ。
といった問いです。
先ず、この問いの解答において、
キャリアコンサルタントが相談者Aを支援する内容を記述しているケース(練習問題等を使った場面での例)を観察することがありますが、
これは勘違いをしていることになるのかもしれません。
特に「あなたが考える見立て」という問いの解釈が、
2級と同じになっているとすれば、
事例指導から離れてしまい、事例検討的な発想だけになるかもしれません。
要するに、目の前の学びにきた事例をまとめた事例相談者Bが置き去りになるかも。
確かに、事例相談者Bが相談者Aに対して見立てたことが支援内容に反映されているため、
これにつられ、
《もう少しここで相談者Aにこのように支援した方がよい》
などといった発想や考えが事例指導者に発動していると、
つい、事例指導者がキャリアコンサルタントになったかのように振る舞ってしまい、
相談者Aへの支援内容をそのまま書いてしまうことになるのかもしれません。
これでは問われていることとズレてしまいそうです。
【問2】で問われていることは、
相談者Aが「問題」を解決するために取り組むべきことです。
相談者Aが取り組むべきこと。これを記述するのです。
ここでも大事なことは、
この事例を使った事例相談者Bとの営みは、
事例指導の場面であることを忘れてはならないと思います。
事例を使って、
事例相談者Bと事例指導者(あなた)の相互性基礎を大切にしたいところです。
こうした思考プロセスが働くことが、
「あなたが考える見立て」という意味合いになると思うのです。
事例相談者Bが相談者Aに支援しようとしていることは、
相談者Aが「問題」を解決するために取り組むべきことだと事例相談者Bは考えていると思います。
これを読み取ることも「あなたが考える見立て」に含まれるでしょうし、
さらには、その思考過程を経て、
事例指導者として考える相談者Aが「問題」を解決するために取り組むべきことも浮かんでくるはず。
これを合わせて考えるからこそ「あなたが考える見立て」というものが、
事例相談者Bの成長に効果的なのだと考えます。
事例相談者Bの考えを尊重しつつ、そこに事例指導者が加えていくイメージでしょうか。
事例指導の実践では、事例相談者Bの成長を願った考え方を常に抱いて起きたいものです。