昨日は大阪にて、

1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験に向けた直前対策講座を開催いたしました。

ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

 

そして昨夜は予定通り伊丹空港から羽田空港まで飛行機が飛んでくれたおかげで、

21時頃、横浜に入ることができました。

本日と明日、横浜会場で論述直前対策講座を開催いたします。

ご予約いただいた方、どうぞよろしくお願いいたします。

 

本日から12月がスタート。

早いもので一年の締めくくりの月を迎えましたね。

1週間後には第14回1級キャリアコンサルティング技能検定試験が始まります。

皆様の1級合格を心から応援しています!!!

 

そして私自身、12月8日(日)は大学の卒業研究審査面接を控えております。

キャリアコンサルティング技能検定試験を受検される方と同日に面接試験があるので、

今、自分の中で皆様が抱く緊張等とシンクロしているような感覚を覚えています。

 

さて、今回の記事タイトルについて。

 

例年、事例指導での事例指導者の視点のあり方を説明する際、

目の前の事例相談者の捉え方(例えば、事例相談者が把握しているCL視点やCC視点等)を自分なりに理解しようとすることが重要であると説明しています。

 

一方、1級論述試験で「相談者が訴えたことは?」と問われた際、

事例相談者をみるのではなく、

事例指導者(受検者)自身がキャリアコンサルタントになって、

相談者をみているようなことが起きる場合があります。

 

例えば、ここが2級の試験と異なるところだと説明しても、

なかなかそのように考えることができないという場合があるようです。

 

少し視点を変えて表現をすると、

例えば、1級の事例問題は、その事例自体が「事例記録」です。

つまり、事例指導を受けようとしたキャリアコンサルタント(事例相談者)が自らを省みて、要点等をまとめている資料であり、

そもそもCLとCCとの対話の全ては描かれていません。

 

2級の場合、事例指導の実技を測る試験ではありませんので、

誰が記録を書いたといった前提がなく、

CLとCCの対話は逐語記録として必要な部分が示され、

受検者自身がキャリアコンサルタントとして考えていく実技試験です。

 

要するに、「相談者が訴えた問題」を考える際においても、

1級と2級では仮に問われていることが一緒であっても、

みているところや、思考過程が異なるはずなのです。

 

1級に挑戦される方において、ここがなかなか難しい…

そのように考えられない、

キャリアコンサルタントとして事例を読んで、

書いてあることをシンプルに理解し問いにこたえればいい、

このように考える場合もあります。

 

私の講座では4月から5月にかけ「視点取得」というキーワードを示しています。

これは特殊な能力でもなんでもなく、しかしながら、最も高次な認知過程とも言われます。

ひとへの本当の「共感」はここから示すことができます。

 

キャリアコンサルタント同士による事例指導という営みは、

決して、事例指導者がグイッと引っ張るようなすごいひとになることでもなく、

また、事例指導者が偉いわけでもありません。

 

事例相談者の見立てがそこにあるからこそ成り立つ営みです。

事例指導者はそこから学ぶこともたくさんあるはず。


事例相談者の考えや感じ方、

そしてその行動の意味、

これらを理解しようとするからこそ、

真の対話へと発展していくのだと思います。


これが実技での考えにもなり、

また事例指導の大切なあり方ではないかと考えます。

 

心理支援に関し簡単にしたいと変換してしまうことは不適切だと考えます。

本来、ひとの相談はそのひとにとっての一大事であり、

とても難しいものです。非常に複雑だと思われます。

 

さらに事例指導となると、もっと難しい。構造や層からして複雑なのです。

事例指導者がミラクルな解決策をもっているはずがない。

だからこそ、事例相談者が持つ力を最大に引き出せるような集中力と、

事例相談者を支える覚悟が指導者側に必要なのだと思います。