12月8日の1級キャリアコンサルティング技能検定試験(学科・実技論述)まで約10日間あります。
この10日間をどのように過ごすのかによって、
結果に善き影響等が起こることもございます。
視野を狭めることのないよう、キャリアコンサルタントの成長のためにも、
丁寧に学びを重ねていただきたらと思っています。
ひとへのキャリア形成支援実践家にとって試験は通過点であり、
その後の自己の学びと連動していることが必要です。
技能検定試験を受検するためだけの学習ではなく、
自身が試験に臨むことをきっかけにして学び続けているコンテンツ等が、
1級合格後において実際に自己の支援力向上に役立ち続けていく視点や考え、
実践家として目指すイメージにつながる学びを取り組み続けてほしいと思います。
それができていることが合格へのプロセスでもあるのだと考えています。
さて、今回は第13回1級キャリアコンサルティング技能検定の実技論述試験問題の【問5】について、
前回に引き続き、実際の事例指導場面での具体的な方法を考えていきたいと思います。
問5 問4で挙げた事例相談者Bの「問題」だと思うことの中から優先するものを取り上げ、具体的な指導方法を記述せよ。
この問いを検討していく際も、
”次の文章は、事例相談者Bが相談者Aとのキャリアコンサルティングについて事例指導をうけるためにまとめたものである。この事例を読み、以下の問いに答えなさい。”
と記されている事例問題の指示を忘れないことが必要です。
昨日の記事と連動していることですが、
【問4】で事例指導者(受検者)が原理原則に基づく面談フレームの順番に沿ってダメなところ(問題事象)を複数拾って、
【問5】でその複数の事象から面談フレームの一番ダメな度合いが強いところ、
若しくは、
面談フレームの順番のなるべく前の部分にかかるところ…
これらを事例指導者基準・評価で取り上げる…
事例相談者に対してそうした事例指導者の振る舞いと態度は、
良質な事例指導実践として成立しないのかもしれません。
「優先するもの」という認識が、
事例指導者によってだいぶ変わると思います。
一方で、ひとへの心理支援の大事な軸として変わらないものがあるはずです。
事例相談者Bが感じていること、
考えていることだけにフォーカスするのではなく、
それを感じたり考えたりしている事例相談者Bの体験そのものを味わってみるほうがよほど大切です。
こうしたかかわりを事例指導場面において事例相談者がリアルに体験を得られるからこそ、
事例相談者Bも今後同じようにそうした体験をもとに相談者へかかわっていくことができるようになるのではないかと思います。
事例相談者Bは、相談者Aに対して「予算管理について受け入れやすいように話を持って行った」とあります。
例えば、
このように事例相談者B自身が工夫をしている対応について、何かしら疑問が生じ気になっている事例相談者Bがいるのです。
【問5】での優先して取り上げていくことには、
事例相談者Bが気になっているところについて、
事例指導者が課題としていく手がかりとしておさえておく必要もあるのです。
※勿論、この点について【問4】において挙げられている必要もありますよね。
これは事例指導の大事なポイントになるように考えます。
事業部長まで務めた先輩の立場から…
穏やかな口調で全員通ってきている道、
私も予算管理は苦手でしたと優しい口調で答えた、
家庭でも予算管理が重要になると笑顔で伝えた、
といったように、
これら全てが事例相談者Bの意図があって語りかけたことだと思います。
これらが事例相談者Bが相談者Aに対して考えている
「予算管理について受け入れやすいように話を持って行った」
という面でどれだけ正確に相談者Aにそれが伝わっていたのだろうかという視点は、
事例相談者Bにとっても関心のある場面なのかもしれません。
課題への明確化に向けた本質的な考えは、
仮にこんなところからも共有できることもあるのでしょう。