本日も横浜で1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催いたします。
講座にご予約いただいた方、どうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様とご一緒に学べることを心より楽しみにしております。
そういえば…
技能検定試験の受検票は、皆様まだ届いていないようですので明日以降になりそうですね。
試験まであと2週間ですので、
受検票が届くのが待ち遠しい方も多いのではないかと思います。
お話しは変わり、
昨日、稲葉篤紀氏がWBCの野球について色々と解説している番組がありました。
そこで指導者の役割について興味深いことをおっしゃってました。
例えば、
ピッチャーが打たれ続けてピンチの時、
ピッチングコーチや周囲のメンバーがピッチングマウンドに集まるシーンがありますよね。
《その際、みんなで何を話し合っているのか??》
という質問をした方がいらっしゃいました。
すると稲葉氏は「状況確認です」という言葉を使っていました。
人間は誰しも焦ってしまっている場面では、
物事を広くみることができておらず、いざという時、
何を優先すべきかなど整理がついていないことがあるそうです。
冷静な普段であれば当たり前に処理できることが、焦っているとできなくなる。
皆で状況確認を行うことによって、
ピッチャーが少しでも普段を取り戻すことにつながるそうです。
そして周囲もそれぞれの役割認識が高まるのだとおっしゃってました。
面白いのは、
「大丈夫だよ、大丈夫っ!」「焦らないでいいよ!」「普段通りにいけ!」
などと励ましの言葉を言ってしまいそうになります。
これは絶対やってはいけない行為だと言われていました。
この言葉がけは、全く意味がないどころか、
さらにピッチャーの状態をダメにする行為であるとのこと。
そもそも「大丈夫!」と言われたって大丈夫じゃないと言われているようなもの。
「焦らないで」と言われても、焦っていることを指摘されているようなもの。
「普段通りに」と言われても、普段通りではないことを言われている。
そうした声がけによって修正できることなどないそうです。
これは実に興味深く感じます。
私たちが支援に携わるうえで、考えさせられる内容ですよね。
「表面的でヘタな共感をするくらいなら状況をきちんと理解してほしい」
これはクライエントからのキャリアコンサルタントへのメッセージ。
つながるところがありますね。
そして、事例相談者への事例指導者の態度も同じことがいえると思います。
さて、今回の記事では、
タイトルの通り、1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験、
問2について、ひとつの考えを解説してみたいと思います。
この問いを考えていく際も、事例問題の冒頭に記されている前提条件を忘れないことが大事です。
”次の文章は、事例相談者Bが相談者Aとのキャリアコンサルティングについて事例指導をうけるためにまとめたものである。この事例を読み、以下の問いに答えなさい。”
これをリアルにイメージしたまま問2を考えてみてください。
問2 あなたが考える見立てに基づき、相談者Aが「問題」を解決するために取り組むべきことは何か、記述せよ。
ここで「あなたが考える見立て」という問いに対して、
受検者がキャリアコンサルタントの立場で考える見立てではなく、
受検者が事例指導者の立場で考える見立てが必要になるということですね。
ここが問1の相談者Aが訴えている問題でしっかりグリップできていないと勿体無い感じです。
つまり、事例指導者の立場で考えるということは、
事例相談者Bと受検者(事例相談者)の二人の視点が調整され、
両者の視点が合わさっていることが重要になると思います。
※事例相談者Bの視点が置き去りにされてしまっては事例指導が成り立たないことになります。
問2での注意点。
ここでの解答内容でよく観察することに、
相談者Aが取り組むべきことは何かと問われているにもかかわらず、
キャリアコンサルタントの相談者Aへの支援内容を解答表現している場合があります。
この状態も、やはり2級論述解答の感覚になってしまっているのかもしれません。
確かに、相談者Aがひとりで取り組めることではないことも多いので、
解答を検討していく思考過程の中では、相談者Aへの必要なキャリア形成支援を考えることになると思います。
※ここでも事例相談者B視点での支援内容と受検者(事例指導者)視点からの支援内容を考え合わせていく思考過程が重要。
ただし、上記はあくまでキャリアコンサルタント側の思考過程での話しであり、
この問いは、相談者Aが問題を解決するために取り組むべきことを挙げるのです。
※キャリアコンサルタント側からの支援方法を描くのではありません。
キャリアコンサルタントがどのように支援をしたらいいかという問いではありませんので注意が必要ですね。
当然のことですが、論述問題は問いの質問文章をよく読み、それに答えることが必須です。