今朝から羽田へ飛び、
午前中から先ほどまで都内で仕事をしておりました。
明日から3日間、横浜の会場で、
1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催いたします。
講座にご予約いただいた方、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今回の記事タイトルはちょっぴり挑戦的ですね。
このタイトルがしっくり感じられる方もいらっしゃると思います。
よく講座でお話ししていることでもあります。
改めてここでも触れてみたいと思います。
事例相談者が事例指導の場面で「教えを乞う」ようなイメージを持つ方は一定数いらっしゃるかと思います。
実際に試験の事例相談者役の方にもそうした意識の方もいらっしゃるかと思います。
そしてそもそも事例指導者(1級技能士)を目指す方にも、「自分が指導者なんだ」「何かしなければ」と考えている方はいらっしゃるのではないでしょうか。
お互いになんとなく、
事例指導者=教える人(先生のような人)、事例相談者=受講者(生徒のような人)という関係にあるとイメージする感じです。
キャリアコンサルティングの際も、
クライエントとキャリアコンサルタントとの関係性において同じような認識をしている場合もありませんか。
これは相当な誤解なのかもしれません。
勿論、事例指導者が指導しない、助言しない、
アドバイスも情報提供もしないということではありません。
なにもしていないようでそうではない。
事例相談者との関係性の中で、
ここぞという場面に絞って効果的だと考えられる指導を行うこともあるでしょう。
それはあくまで事例相談者の学習者としての主体性を最大限に引き出したり、
事例相談者の学習動機づけの段階が内発的なものに相当近いところでの側面的な関わりに留めておくことが、
事例相談者の成長に有益であることをわかっていてあえて行うことをしないということです。
事例指導者が、事例相談者との関係性のうえで、
事例指導を実際にあれこれと考えていくことは無限にあるのでしょう。
自分の解釈で安心できそうな型に置き換え、あえてパターン化することはナンセンスです。
注)フレーム学習等の訓練はパターン化することとは異なります。念のため。。。
お話しを戻しますが、
事例指導者が事例相談者にアドバイスや助言を行うことというのは、
実は事例指導において、残念ながらまるで意味がないと思うのです。
キャリアコンサルタントがクライエントにアドバイスしていることと類似しています。
他者から助言やアドバイスを受けることで、
ミラクルな変容が起こるわけではないということを知っておくことが大切なのかもしれません。
そもそも事例指導者の役割の人にアドバイスを受けることで、
事例相談者が真に解決できる程度のことであれば、
事例指導の場を創造する必要はないのかもしれませんね。
本日のブログのタイトルは、
何もしないと書いているわけでもないのです。
ただひたすら、
事例相談者のお話しをきき、その立場の語りと自分との間を行き来して、
事例相談者を理解しようと努力していくために、
またひたすら集中してきくことが、
唯一、事例相談者の世界をなるべく邪魔しないで、その人の中から気付きが生まれていく機会を提供していることにもなるのではないかと思うのです。
ですから、
助言もアドバイスも指導もしないくらいの方が、
事例相談者にとって善きエネルギーを要する学びの場になるのかもしれません。
こうした考え方が根っこにある事例指導のあり方を実践的に考えていきたいと思います。