今回は、昨日ここで掲載いたしました学習参考用の架空事例②を使い、
事例の中の相談者A(クライエント)の状況について少し整理してみたいと思います。
あくまで私のメモレベルでの記事になります。
ここに記したことが適切な見立てであるとか、
正解であるとかをお示しするものではございません。
では、早速みてみましょう。
相談者A 女性(51歳)で一人暮らし 5年前に離婚
娘たち(25歳・23歳)はそれぞれ独立して別居
現在大手医療関連機器商社で営業事務職(正社員)
仕事は順調 職場の人間関係で問題はないとのこと
これまでなんとなく事務職を続けてきたせいか
今になって仕事が自分に合っているのかわからなくなってきた
※そのように思うきっかけは特にないとのこと
※今の仕事は誰にでもできる仕事と感じている、ほぼルーティン業務である
今はひとり身で気軽にやっているがあっという間に50代に突入
なんだかこのままでいいのかといった思いがわく
こんな悩みは贅沢な話かもしれないとの発言もある(文脈から本音ではない??)
事例相談者Bの報告によれば、
「年齢に対する不安や、ひとりで生活していることの張り合いのなさなどを感じているようにも見えた。」
とありますよね。
入社当初から26歳の退職時までの間、
上司や同僚から頼られ「日々成長を感じ充実感のある仕事を経験」という記録も気になります。
「当時は子育てに専念したい気持ちが強くあり、仕事に未練を残しながらも退職を決意しました。」
という語りの記録。
さらには「娘2人の育児が少し落ち着いてきた頃からパートや派遣社員で、
様々な業界で事務職の仕事に就き、自身のキャリアを幅広く積み上げてきた」
といったところ。
この相談者Aは、子育てに専念したいとしながらも、
当初から未来に向けてずっと「何かしなければ」といった気持ちに駆られているのかもしれませんね。
5年前の離婚の語りも、その抱えてきた複雑なものを、
やっとここで言葉にしていきたかったのかもしれません。
「これも何かの縁」…
ここに、Aのこれからの人生が詰まっているようにも感じました。
ただ、ここに記したこうした感覚は、すべて私の感じ方を文字にしただけ。
決して、事例相談者Bに対して伝えることではないのだと思います。
事例指導者がこうした発想を事例指導の場で、
事例相談者に対して言葉にしてしまうことが多い気がします。
このようなイメージと感覚は、
じっと、事例指導者の中で噛み締めながら味わうのみでいいのかもしれません。
以上に、事例指導を受けにきた事例相談者Bが、
相談者Aをどのように理解しているのかの方が事例指導には重要です。
お話しを戻し、事例指導者としての仮説の仮説として、
この相談者Aへの必要なキャリア形成支援としては、
Aにとって「50代に突入して」ということがどんな意味を持つのか、
壁打ちの相手くらいしかできないと思いますが、
A自身が自分に問いかけられるような聴き手の態度と関わりが重要なのだと思いました。
「50代になると次のキャリアを考える機会が増えてくるもの…」
という事例相談者Bの発言は、Aというよりは、
50代の人という意味になってしまいそうで、
もしかしたらちょっとずれて受け取られてしまう可能性もあります。
「ありたい姿をイメージできるようにサポートすること」ためには、
A自身の中にそれができていることを聴き手が信じられることから支援が始まる気がします。
ひとつの視点から少し文字に解説してみましたが、
次回は、問1の相談者Aが訴えた問題について記事を書いてみます。