今日から10月がスタートしました。
私が住む福岡市内の本日の気温は約30度の真夏日に近い気温です。
とはいえ、日陰を歩くと涼しい風を感じられるようになったので、
だいぶ過ごしやすくなったと思います。
読者の皆さまの地域ではいかがでしょうか。
さて、本日の記事です。
先日提供した事例①を活用して、
事例相談者への指導プランを具体的に描いてみたいと思います。
10月15日に提供事例①は削除しています。
第13回1級論述過去問の問5にあたります。
問5では、
「問4で挙げた事例相談者の問題だと思うことの中から優先するものを取り上げる」
とされています。
これについて、事例指導者としての認識のあり方ですが、
優先するものが事例指導者自身の経験値や価値観からきたものだけでは、
事例相談者の主体性が損なわれてしまうことがあります。
実技試験として実践と連動するように考えてみることが大事だと思うのです。
つまり、
事例相談者が主体であり、事例相談者がこの事例において気になっていること、
こだわっているところ、一番学びたいと思うことと近いところ、等々、
それらを優先するものとして考えていく必要があると思うのです。
事例相談者がこの事例で大切にしていることは、
当然に支援の傾向として表出しています。
その支援方針や内容等を知るためには、問1から問4までの過程の中で、
事例相談者を理解していこうとすることで掴んでいくことができると思います。
だからこそ、問5において優先するものを考えられるのです。
この事例相談者は、
「思いを社長に伝えた方がいい」
「大事なことを周囲に相談することは大事だと思う」と所感において、
自身の信条的なものからくる判断をしています。
この判断が「ようやく一人前になれた気がしていたのに」
と発する相談者の訴えからくる心情やその意味を、
異なる解釈にしてしまうこともあるかもしれません。
こうしたところが前回記事にした表裏一体という側面でもあると思うのです。
※肯定的に評価できるところと改善できるところとの関係性です。
この事例相談者の場合、優先するものの一つには上記のようなポイントがあると思います。
相談者の言葉に含まれる訴えとその本質を深められるように意識できたらいいですね。
事例指導者として具体的な指導方法をイメージする際、
大切なことは、事例相談者がやろうとしていること、考えているであろうこと、
それらに事例指導者が意味づけをしていくこと、
そして丁寧にその要点ごとに確認していく傾聴ステップがあることが重要です。
こうした過程を踏んでいくことで事例相談者が自身に目を向けられる機会ができます。
だからこそ、事例相談者が持つ態度や応答等と相談者のその受け止めから、
二人の間で何が起きていたのか、具体的に想像してもらうこともできるかもしれません。
改めて、相談者が聴いて欲しかったこと、
相談者の態度や発言のどこから滲み出ていたのか、
事例記録から振り返って深めてみることで、
その意味と場面を事例相談者なりに再構成していく機会が生まれる期待がもてます。
このような状態であれば、
相談者がサインを出していた箇所を事例記録から一緒に確認してみるだけでも、
事例相談者なりに相談者の理解を深めていく訓練にもなり得るはずです。
特に今回の記事は、架空事例自体を改めて確認いただき、
また、前回の問4の考え方の記事とあわせて読んでいただくことで、
今回の記事内容が深まっていくものと思います。
問4と問5は、事例を概念化した後の指導プラン策定の過程になると考えます。
ご自身でも事例相談者のことを思い浮かべながら指導プランを検討してみてください。