本日から9月がスタートしました。

今年もあと4ヶ月。

早いもので令和6年も3分の2の月日が過ぎました。

 

令和6年1月がスタートした際、

多くの方が今年の目標などを自己の中で確認したことと思います。

目指してきている自己の姿などを振り返ってみて達成度合いはいかがでしょうか。

 

さて、私事で恐縮ですが、

来年度の大学院進学のため、現在、時間をつくりながら試験勉強を徐々に進めています。

 

来月筆記試験が行われる予定ですので、

その受験に向け、日々筆記試験(論述・記述試験)の過去問を眺めながら考えているのですが、

たまたま「学習の転移」という用語について触れる機会があったので、

これまで学んできたノートや書籍、教科書を引っ張り出して、

自分なりの考えを文字にし、整理していく作業をしてみました。

 

その一部を少し記事に変えて記してみます。

 

そもそも「学習の転移」というものは、

1級キャリアコンサルティング技能検定試験を考えていく際も有効な考え方になります。

 

自分がこれまでに得てきた知識や経験等、これらを総動員させて課題に向き合うのですから、自然体で学習の転移が働いていることになるでしょう。

 

現場も含め、試験でも、これまでに体験したことのない問題に直面したり、

新たな情報(初見事例等)を把握していく際に、

学習してきたこを応用できるスキルがどなたにでも大なり小なり備わっているはず。

 

以前もブログに記したことがありましたが、

特に、ひとへのキャリア形成支援の諸活動では、1級ホルダーであるにしても、

特定の専門分野に特化した個別に求められるスキルよりは、

標準的、且つ汎用的な土台となるスキルの方が、まず重要であるということ。

 

特定分野の能力もあるに越したことはないのですが、

その前に、

例えば、先ずひとの話を真に聴くことができなければ何にもならないと考えます。

 

仮に企業組織に介入を得意とする人があるとしましょう。

そうした分野に精通した知識やスキルをいくら持っていても、

かえってそれが強制的に働くことにもなり、

場合によっては知識のパワーが強過ぎて、人を傷つけることもあります。

 

ひとの話を聴くという意味合いが、

単なる聞くとは異なることを本当に知っている人は少ないはず。

※かくいう私も含めて。

 

対人援助における心得やその態度の水準がマスタークラスになればなるほど、

聴くという意味合いがとても奥深くなっていくように思います。

だからこそ、他者のより善いキャリア形成支援につながっていくのでしょう。

決して、それは特定の分野での専門知識やスキルがないとしても、

どのような分野でも共通の合意点ともいえる必要な能力です。

 

特殊・特別な問題解決において、特定の専門的知識が必要であり、

それに価値があることは当然かもしれません。

それは知っているに越したことはない…程度のことなのかもしれませんね。

専門分野のサポートが必要な時は、それができる人も周囲に存在しているはず。

そのネットワークさえ日頃から構築していく努力をしていれば、

ひとの話しを聴けるひとには、本当に質の高いリソースが集まっていると感じます。

 

それ以上に、ひとへのキャリア形成支援活動というものは、目の前にいる、

先ず、そのひとのことを理解しようとしていく態度が備わっているのかが全てと言っても過言ではないでしょう。

 

ところで、興味深い研究があります。

 

個人単独で問題や課題に向き合う場合と、

グループメンバーで協力しながら問題や課題に向き合っていく場合と、

その学習効果を測っていくものがありました。

 

これは1級の対策講座などでも実感することなのですが、

一人では表層的な側面しか捉えられていないことも多く、

メンバーで協力し合いながら学習素材を使って考える場面を創造できるグループは、

あらゆる側面で歴然とした差が出る、その効果を確認できることがわかっています。

 

深い探求心、普段では気付けないような視点の獲得、

そしてその後の学習の定着効果など、

単に一人で学習を続けていく場合以上の学習効果が認められています。

 

「一人でも多くのクラエイントと面談を行いなさい」

といった指摘やアドバイスもあるようですが、それだけでは学習が深まらないこともあるので注意が必要です。

単にクライエントと面談回数を増やしても、その人自身が適切な振り返りができない場合、

かえって今後のクライエントを傷つけてしまうこともあります。

 

学習できるメンバー間で相互作用というものが起こり、

また、メンバー・他者からの自己への学習の転移ということにもなる。

 

ひととは異なるからこそ、気づきを共有できたり、

また、自分自身の理解や疑問を瞬間的に表現して他者へ刺激を出す。

これに違和感や不快感を覚えることもあるのですが、

その逆もあり、それぞれのメンバーがどのように認識できるかは、また面白いところです。

 

メンバー感での、内輪感や馴れ馴れしさの感覚をある程度排除できる関係・意識を持ち、

また、新たな出会いを歓迎でき、異なりに驚きを持てる、

なお他者を真に尊重することができるメンバー間のルールみたいなものが、

ある一定の水準で備わっていれば、

それは、学習の転移がとても効果的に働くのではないかと思います。

「弱い紐帯の強み」という考え方がありますが、まさにそうした場にできるといいですね。

 

こうした学習者の方々と1級を目指すことも持続可能な力にもなるものです。