昨夜オンライン1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催いたしました。

今回でCVCLABの2024年8月度の講座プログラム(No.5)は最後になっています。

そして来月からはNo.6と題し9月の講座プログラムを開催してまいります。

 

今年度のCVCLAB講座プログラムでは、

2月上旬に実施予定の1級面接直前対策講座を含めNo.12まで用意しています。

早いもので、来月はプログラム全体での折り返し地点、

受講いただいている方、ご一緒に学びを重ねてまいりましょう!

 

さて、昨夜の講座でもお話ししたことになるのですが、

表題についてここで少し記事にしてみたいと思います。

 

例えば、

1級キャリアコンサルティング技能検定試験の実技(面接)試験のロールプレイの場において、

事例指導者から、事例相談者に対して「事例の説明を促す」シーンがあるかと思います。

 

様々な指導者スタイルがあると思います。

大事なことは「事例の説明」という行動化への働きかけについて、

事例相談者にとってどんな効果やメリットがあるのか、

事例指導者がある程度その意味合いを考え、

事例指導者の振る舞いや言葉遣い、瞬間の関わり方等が、

目の前の事例相談者にとってどのような影響がありそうか、

その場その場でライブで感じていく必要があります。

※どんな働きかけでも事例相談者によって感じ方も反応等も全て異なるでしょう。

勿論、事例指導者が誰であるかという異なり自体による影響もあります。

 

共通の合意点として考えられるのは、自身が担当した事例をまとめるという行為自体、

事例相談者にとって成長に必要な振り返りの機会になることはいうまでもありません。

 

さらに、事例相談者がひとりでまとめていくワークと、

目の前に事例指導者がいて、

まとめた事例を改めて説明するときとでは全くの異なりがあります。

つまり、よい意味でとても大変なことなのです。

 

だからこそ、事例指導者が事例概要ですらも勝手に読み上げない方がいい、

事例相談者が自分で担当している事例なのですから、

事例を説明するのは、事例相談者であって欲しいと考えます。

※これは私の現場での実践的な考え方です。勿論、他の考えがあると思います。

 

これに似た考え方があります。

 

例えば、

カウンセラーの訓練において、逐語記録を起こす作業がありますよね。

 

非常に大変な地道なワークです。

 

現代では、音声の文字起こし自体をソフトウェアで楽をして文字化する場合があります。

 

この行為、カウンセラーの振り返りにおいて、

重要な文脈や間合い、敏感な感覚を鈍化させてしまうことがあることを考えてみたいもの。

重要な感覚を見落とす可能性があるかもしれません。

 

一例を挙げれば、こうした楽を積み重ねていると、

傾聴スキルの低下にもつながるということもあり得ます。

 

音声の文字起こしソフトウェアというものは、

細かな文脈や間合いを捉えきれない場合もあり、

結果としてカウンセラー側の感受性、傾聴スキルに影響を及ぼす可能性があると言われます。

カウンセラーが実際に耳で聞くことによって得られる微細なニュアンスや反応が、

文字起こしでは失われがちです。

ですから、ソフトウェアの利用というのは一部の利便性を提供しているに過ぎない。

カウンセラー等の真の訓練において慎重に考慮する必要があるはずです。

 

何事も楽をする、効率化を図るということは、

心理支援等においてはマイナス面もある、リスクがあることを考えてみることが大事です。

大事なことは、それがクラエイントのためになることなのか、

原点に立ち返ってやり方など慎重に選択をしていきたいものです。

これはひとのキャリア形成支援でも一緒だと思います。