本日も横浜会場で1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催いたします。

今朝の横浜も昨日に引き続きよい天気。

水分補給に気をつけながら、一日学びを楽しむことができたらと思っています。

講座をご予約いただいた方、どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、事例指導面接のその実践力について考えてみたいと思います。

 

一例ですが、

事例指導者が事例相談者に対して、

(私はこれだけ実践を積んでいるので今日の事例指導についてご安心ください)

といったニュアンス、

ある意味、自信をこめて自己紹介されている場面を観察することがあります。

 

事例相談者に対して安心感を与えようとしているのだと思います。

 

事例相談者からしたとき、

事例指導の場に慣れていないこともあったり、

初めての場で緊張していることもあったり、

また、人のことをより大切にする方だったりしたとき、

上記のような自己紹介を受けた際、

純粋に(すごいなぁ、安心かもなぁ)と感じることもあるかもしれません。

 

仮に、事例相談者が安心を感じられたとして、

それは後々約束を果たせないかもしれない、

ということを事例指導者がわかっていないとよろしくないと思います。

 

なぜなら、

事例指導の面接が事例指導者が思っているように展開するわけではないからです。

要するに事例指導者のおかげで事例指導面接が進むわけではないということ。

 

相談者支援においても同じことがいえることがありますが、

ここでは事例指導の場にフォーカスして記事を書きます。

 

事例指導者が事例指導の場でなにかを解決できる、

事例指導者の指導面接によって事例相談者が成長できるのだ、

と事例指導者が真に思っているとするならば、

(この場は私に任せてください)

となるのかもしれません。

 

そして例えば30分後、お互い消化不良のまま面接を終えなければならない。

事例指導者が自己の視点だけでなにかを見立てようとするから、

空中戦が始まってしまうことも多いように感じます。

1級実技試験のロールプレイで散見される光景ではないかと推測します。

 

実際、事例指導の面接というものは、

せいぜい『壁打ちの相手』くらいしかできないこと、

 

いや…

その壁打ちの相手ができることが大事なのです。

 

(事例指導の場を私に任せて)

(私は実績を持っているから安心してね)

といったニュアンスは、

その壁打ちにすらならないのかもしれません。

 

時々メディア等を通して見かける

《私は何万人の相談を受けた実績がある》

《何千時間の面談をしてきた》

というようなPRを行っているカウンセラーさんがいらっしゃいます。

 

こうした感覚というものは、

事例相談者から学ぶ、クライエントから学ぶという態度やそのあり方が、

少し薄れている可能性があるのかもしれません。

 

事例指導者の実践力というものは、

結局のところ事例相談者の手柄によって左右されていくものであり、

事例指導者の真の態度として、

目の前の事例相談者から学べるのだという純粋な気持ちを備えていることがとても大切なところになるのだと思います。

 

事例指導者が自分の面接の上手い下手を考えたり、

自分の事例指導がうまくいったとかうまくいかなかったとかの結果を気にしたり、

こうして考えている段階があるのは当然かもしれないのですが、

それは事例相談者をみているというより、

自分の出来栄えみたいなところからの自己評価になっている可能性があります。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定試験の口頭試問などでも、

こうしたスタンスが抜けていないと、

自分のことをみつめるばかりに語ることになりそうです。

 

事例指導の面接について実践力を考える際、

いかに壁打ちの相手になれるか…といった考え方が参考になるのかもしれません。