本日は日帰りで大阪出張です。
いつもの通り朝一便で伊丹空港に飛び、
只今朝の8時半頃ですが、すでに大阪市内に近いところまできています。
本日の大阪は快晴。
朝から夏の日差しが肌を焼いています。
本当に最近の日差しはひと昔とは異なる感じですよね。
もう少しで梅田に着くのですが、
その後地下鉄で移動すべきか、徒歩で移動すべきか、少し迷っています。
そして本日の最終便で福岡に戻り、
再び金曜日から3日間大阪に入ります。
なんと効率の悪いスケジュールなんでしょう…汗
しかし仕事に効率を求めたらいけないことも多いですね。
効率よりもその質?で人生の選択をしています!
さて、昨年度(第13回)の1級キャリアコンサルティング技能検定から、
実技論述試験の出題形式が大幅に変更されています。
ここではその変更点を改めて解説することはいたしませんが、
実際、論述試験で問われている1級に必要な要点はそれほど変わっていません。
(変わっていたら少しおかしいですね)
第12回以前の過去問事例を活用して学ぶ際は、
最新の出題形式(第13回)に合わせた各問の内容に変えたほうが試験対策として役に立つと思います。
なお、試験対策自体が実践と連動していることが重要ですので、
単に試験対策に終わらない学び方を工夫していく必要があると思います。
前年度の出題形式変更は、そうしたポイントも考慮されていると感じました。
第12回1級論述問題は4つのケースがあります。
ここでは当時必須問題であった事例1を使って新たな問いの形式に沿って考えていく記事にいたします。
今回の記事ではその導入として、
ひとつの考え方を全体的に解説してみたいと思います。
読者の皆さまもご自身の考えと照らし合わせながら色々深めていただけると幸いです。
先ず、事例指導の実際と新しい論述の各問(5問)を重ねていきながら大きく2つに分けてみます。
問1〜問3は事例指導実践でのケースを掴む段階、
そして問4〜問5においては事例相談者の成長と相談者へのよりよい支援を目指した指導プランニングの段階となるかと思います。
ケース概念化で50点、事例指導プラン実践で50点、
といった感じでしょうか。
実際に事例指導者として事例相談者と向き合うとき、
こうした実践ステップを丁寧に踏んでいきますよね。
論述試験が実技であるということが実感できます。
※あくまで私の個人的な見解です。
先日の福岡での対面型講座、そして昨夜のオンライン講座でもお話しをしたことなのですが、
論述事例を読む際、事例相談者の未熟なところにどうしても目がいきがちな場合があります。
一例ですが、
「事例相談者は相談者の問題(CL視点・CC視点)をどのように捉えているでしょうか?」
と講師から投げかけたとして、
それでも
『この事例相談者は(思いが強くなってきたのですね、お忙しいのですね。)といった表面的な言葉を返しているだけだよね…だから話が深まらない。』
といった感じでグループでの話し合いが行われるケースが多いものです。
1級を目指している方でもそうした傾向が度々出るのは、
この業界の訓練のあり方そのものが、どちらかというと見立て重視の訓練が多いのか、
はたまた、キャリアコンサルタントを生きる方にはそうした視点を強くもつ方が多いのか、
これは研究していく余地もありそうです。
時期尚早の粗い解釈は乱暴な評価を下す方向に向きやすいので注意したいところ。
事例を読む時に指導者として特に大切にして欲しいことに、
この記録自体、事例相談者が相談者との面談について事例指導を受けるためにまとめたものであるということがあります。
論述を考えるときも、
この二重構造的な関係を絶えず忘れないことが大事です。
質の高い事例指導の場面は、
事例相談者が主体になって事例指導者と相互でのひらかれたやり取りができ、はじめて何かが生み出されていきます。
ケースの概念化の段階から事例相談者の対応の評価をするのではなく、
先ずは同じキャリア形成支援を行う者同士、
共同的な関係ができる繊細なものの見方というものがあるのではないかと感じます。
事例指導者がキャリアコンサルティングの原理原則に頑なにとらわれすぎ、
どんな事例相談者、そして事例においても、
型にはめたような評価をしていくのでは事例指導の質は向上していかないかもしれません。
問1〜問3までは、
ぜひ、事例相談者の視点を借りて(視点取得)、
そのうえで立場の異なる事例指導者からの見方を併せてみて考えていくような感覚を磨いていきたいと思います。
これは事例相談者、そしてその向こうにいる相談者への敬意を示すことにも繋がり、
だからこそ異なる自分の考えをも併せもってひとつの意見としてまとめていけるのではないでしょうか。
事例指導ではこれ自体全体が「あなたの見立て」となるのだと思います。
事例相談者の考えや感じ方などを取り入れた指導者の表現は紛れもなく指導者としての「あなたの考え、あなたの見立て」です。
正解などないわけで、
いかに事例相談者の考え方を理解していこうとすることができるか、
そしてあれこれ考えを広げてみたり深めてみたりと可動領域を四方八方に柔軟性をもって考えていく力を養うか、
これが事例指導でのケース概念化ともつながるのだと実感しています。
このステップを経て、
ようやく事例相談者への個別的な指導段階に移っていけるのではないかと考えます。
論述では問4と問5に当たるのでしょう。
お話しは戻ります。
ケースを読む段階から事例相談者の不出来なところをみていても、
事例指導者自身の成長も期待し難くなるのだと思います。
事例指導者も事例相談者から、そして事例から様々な学びを得ることができるはずなのに、
事例相談者をネガティブに見積もるのは、自分の成長、それを自ら阻害してしまう考え方になります。
いくらベテランになっても、
いくら著名な先生等になっても、
例えば、初学者からさえも
「体験させてもらえる」「学びの機会をいただけるのだ」
といった表面的でない本当の謙虚さを備えているのか否かが、
本来の対人援助者の特性でもあり、よい意味での余裕なのだと思います。
前のめりに人のできていないところを読み解くような感覚を総動員しているのは些か寂しいもの。
ケースを読むとき、どこかワクワクするような、
自己の新たな成長をも期待できるたのしさが得られる感覚を磨いていきたいと思います。