東京で朝一のオンラインでの仕事を終えてこれから福岡へ戻るところ。


東京の日本橋近郊に宿泊したので、

羽田空港まではリムジンバスで移動する選択をしました。

ここの存在を初めて知りました。

「東京シティエアターミナル」


宿泊先から徒歩圏内でしたが、

随分マイナー?な場所にありましたので歩きながら少し心配になったものです。


一方、羽田空港まで30分以内で到着できとても快適でした^ ^

次回からの移動の際の選択肢になっています。


さて、今回の記事を書きます。


1級キャリアコンサルティング技能検定試験について、

事例指導面接の進め方を気にしている方は多いかもしれません。


一例ですが、質問いただくことに

(事例相談者に対して肯定的な態度を大事にしたところで、

受検者は指導者なのだから、どこかで事例相談者の不適切な対応等に気付かせなければならないでしょう?)

といった内容が時々あります。


読者の皆さまはどのように考えるのでしょうか。

 

こうした思考傾向自体、実は相談者(クライエント)支援にも多かれ少なかれあらわれていることがあるかと推測できます。


なお、これを(問題解決志向)と表現される場合がありますが、

決して解決という水準ではないと私は思います。


相談している相手に対して自分の考えを伝えようとしている、

押し付けてしまうようなことになってしまうリスクもあるのかもしれません。

 

私自身、これまで学びの機会をいただいたスーパーバイザーや事例指導者は、

決して助言(アドバイス)などしませんでした。

その方のクライエント支援のあり方も同様であると推測できます。

 

例えば、

クライエントが仕事のAかBかで決めきれず迷っているということがあるとします。


クライエント自身がなぜそれで迷っているのか、

わからないことはたくさんあるわけですが、

そもそも迷うこと自体がその人にとってなぜ問題になるのかすらわかりません。


勿論、どんな選択肢があったのか、

なぜ2つの選択肢を今見つめているのか、色々あったのかもしれませんし、とにかく何もかもわからないわけです。


ですから支援する側が事柄に注目したところで何にもならないということがわかります。


そして同じひとは二人としていなく、

その事柄などよりも、目の前にいるクライエント自身に真の興味を注ぎます。


間違ってもわかったつもりになって

(こうしてみたらどうでしょう?)

などと助言をしたとしたならば、

クライエントに対して無責任もいいところです。


一見解決策のように思えますが…

これではひとのキャリア支援にはつながりにくいでしょう。

 

助言志向が強い場合、

最初はクライエントのことをきいているような感じがするのですが、

途中でクライエントの悩みをわかったつもりになるのか、

「なるほど。〇〇と〇〇で悩んでいることがわかりました。

先ほど、AとBで決めきれないということでしたが、それはご両親やご友人に相談されたのですか?」

ということもある。

 

つまり、

他の信頼できる誰かに相談してみてはどうか…

とアドバイスしているようなかかわりになるかもしれません。

もしくは問題解決のためのクライエントが持つリソース点検をしているつもりかも。

 

ここで取り上げたいことは、

相談するということ自体が間違っているとか、

そういうことではありません。


クライエントがどっちか選択したい、

その背景に何があるのか、

どうしてクライエント自身がAかBかで迷っているのか、

クライエントにとってどちらか選択できた際の魅力はなんなのか、

迷っていることでクライエントが困ることはなんなのか、

双方の選択がクライエントに与える影響はなんなのか、

他の何かを選んだときクライエントにとってどんなことが起こるのか、

どっちも選択しない場合、何が起こるのか、

 

キリがないほどクライエントのことを理解していくところがあるわけですが、

これはクライエント自身の思いや考えを言葉にして表現してもらうかかわりに近づきます。

決してこちらがアドバイスするための情報収集ではないのです。

 

上記全てを一度に問いかけていくわけではありませんが、

そもそもクライエントに助言などしなくとも、

クライエント自身が自分を照らせるように自己内にあるものを引き出してもらえば、

自分自身を整理していく過程が生まれます。

勿論、同時に私たち聴き手も理解が深まっていきますよね。

 

こうしたかかわりがその人の主体的なキャリア形成を生み出すきっかけになるのだ、

ということを日頃から実践・実感していることが重要になると思います。


クライエント理解が不十分なまま助言や情報提供などしようものなら、

クライエントの思考や気持ちが停止してしまったり、狭まるだけになりそうです。

 

目の前にいるクライエントが今ここで悩んでいることを、

聴き手もあらゆる角度から一緒に感じ考え、

クライエントの内面を共に味わうことがどれほど大事なことなのか、

キャリアコンサルタント自体がそれを常に理解して実践できている必要があると思います。


これがある水準で安定して提供できるマインドがあれば、事例指導自体にもよき影響が出てきます。

事例指導面接にも同じことが起こるのです。

 

(聞いているだけでは何も起こらない)

(内省力のある人ならいいけれど、鈍感な人だったら気付けない)

 

こうしたことを考えてしまう段階では、

実はカウンセリングアプローチ自体の実践訓練が未熟なまま、

次のアドバイス、次の問題解決、次なる展開ばかりが気になって、そこに注意が向いている可能性があります。

 

相談にきている相手のことを「気付けない」などと指導者が考えていること自体、

相手を理解する態度に至っていないことがあるのかもしれません。

 

これは心理支援に携わっている者の実践訓練段階にあるお話しだと思いますので、

何がダメだということではなく、

こうしたことを常に考えることが他者のキャリアを扱う専門家として、

支援のあり方の原点をみつめなおすいい機会にもなり得るのだと実感しています。

 

なお、これは1級技能検定の実技試験の対策の本質として大事な要点になるところです。