昨夜はCVCLAB主催の1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座をオンラインで開催いたしました。
26名の受講者様にご参加いただいております。
どうもありがとうございました。
昨日の講座プログラムでは、
1級面接試験受検に向けた基礎的な内容を皆様と考えていく時間にしました。
試験対策に終わらない試験対策や受検準備にしていくためにも、
事例指導の実際を行き来しながらより本質的なところを考えていただく場面をつくるように工夫をしています。
実技試験と現場実践とが連動する学びが特に重要です。
ちょうど6月23日にJCCフェスティバルにて、
理事の方々の前でキャリア形成支援者の事例指導者のあり方やその育成についてのお話しをしたばかりでしたので、
その熱量がそのまま昨夜にも継がれていった感じがしています。
さて、今回の記事では、
第13回1級キャリアコンサルティング技能検定の実技論述試験における問5にあたるところに触れていきます。
前回の記事で解説いたしました通り、
問4で事例指導者として事例相談者の対応の「問題」だと思うことをどのような思考過程を経て考えているかによって、
この問5ではその優先する「問題」の考え方が大きく異なっていきます。
事例指導者(受検者)が、
たとえ事例指導の目的を頭で理解していたとしても、
事例相談者がまとめている事例の認識や扱い方、
そのみかたや把握のあり方等によって、
「問題」と思うところまでの過程とその水準が大きく異なると思うのです。
これは1級ホルダーの間でもそれなりの差があるはず。
ただ…1級でも現場で本当の失敗を味わっている人ほど、
スーパービジョンや事例指導を受けて様々な想いを味わっている人ほど、
同じ1級ホルダーの間でもその差が縮まっているはずです。
つまり「問題」の捉え方に相当な深みが出てくるものです。
そして何より、目の前にいるここでの事例相談者を受け容れながら、
その人のこれからの活躍を願い、その人がキャリア形成支援者として経験していることへの意味合いを大切にできる態度が根底に安定していくと思うのです。
優先する「問題」とは、
事例指導者を基準にしたものではなく、
事例相談者が取り組みたくなるものであり、
それはここに来た原動力になっている根底に近いもの、
つまり一番気になっているところに近いところを優先として考えられることが大切なのだと考えます。
事例相談者は、
事例記録をまとめている時点ですでに相当なエネルギーをもって整理していることが多く、
振り返りという作業では概ね8割がた完了しているといっても過言ではありません。
そして勿論、本人がそれをどう考えているのかが大事です。
事例相談者にはその人の基準による内省力をもっており、
事例指導者がそこを大切にしてそこに標準を合わせていくことができないと、
事例指導者が勝手に優先としているプラン自体、
本人にとって優先と思えないこともあります。
「問題」のみかたや捉え方ひとつで指導プランニングがまるで変わってくるもので、
これが実技論述や面接試験対策でも、実践トレーニングにおいても、
特に興味深いところにもなるのではないかと考えます。
昨夜の講座においてもこうしたところにも意識を向けながら様々な立場で考えていただく場をつくっています。