今回の内容は1ヶ月ほど前の記事にも書いたことです。

 

ここ10年間ほど(いや、それ以上なのですが…)、

キャリアコンサルタントの役割として「組織の介入・展開」により焦点化される機会が増えてきたように感じます。

キャリア〇〇としてもっと展開力を持つべきだ。

以前からこのような知見者等からのメッセージがあります。

業界内における呼称や機能を意識するよりはクライエントのことをシンプルに考えたい…。

 

実際、例えばキャリア形成支援について、事業経営関係者等を巻き込めば巻き込むほど、

そのトップ等がもつ人格特性、パーソナリティー等に相当な影響を受けます。

すると、キャリア形成支援の効果が得られないこともあります。

 

組織を意識すればするほど互いに葛藤を覚えることも。

組織からすれば余計なお世話にもなり得ることです。

 

(それは組織介入って言わないのですよ。)

(それはあなたが組織介入が下手だから。)

といった声が聞こえてきそうです…汗

 

問題や課題のない組織自体存在しないと思いますが、

それはとっても根深いものだったり…

専門家を名乗る凄腕?コンサルタントやアドバイザーだったとしても、

一朝一夕に組織の個別性を理解していくことができないこともあります。

 

理解できないからこそ介入できるという説もありますね。

 

勿論、背景に著名な先生がいらっしゃるだとか、

なにか公な資源にもなるのでぜひ試行させて欲しいなどと言われれば、

経営者としてはブランディング等につながると考える方もいるかもしれません。

表面的に理解している素振りだってあるでしょう。何事もお付き合いが大事です。

結局、専門家の手が離れしばし経てば、また同じことの繰り返しとなることもあります。

 

組織介入が我々にとってたまたま効果的に見えることがあっても、

それは一時的なものかもしれません。

キャリア形成支援者からみて案件が取れたところで、実績が取れたところで、

肝心の働く人、個のキャリア形成支援にはつながっていないことも。

 

その後、従業員がしらけている…こんなケースを聞かされることもあります。

 

今後どんな変化が起こり得るのか経営者自身がわからない、先も見えません。

経営者からして本音を言えば、従業員のキャリアなどよりも、

今の会社の売り上げがとにかく大事だという切羽詰まったような組織も多数存在します。

そうしたところで働く従業員の一人ひとりの幸せ感は勿論個別です。

私たちは組織に何が起きようと、

担当しているクライエントの様々なキャリア実現を共に見つめていく存在でありたい。

大切なのはひと一人ひとりであり、

目の前で話しをしてくれるそのひとの理解を諦めずに一貫してみていく。

 

与えられた様々な労働環境等で働く、または働こうとする個にとって、

所属している組織環境がどう変化していっても、

一人ひとり、その変化する環境の中で働く意味を見出したり、

人生を意味づけられていくなど、

物事の捉え方や価値観などを豊かに変化させていけること、

これこそがキャリア形成支援の醍醐味にもなるのだと考えます。

 

結果としてそこで働く従業員一人ひとりの主体性や思考を培うことにもなり、

個の成長を通じてチームワークを醸成させやすくする一番の近道だと考えています。

 

組織側への介入ではなく、

個々の従業員の視点や成長を重視する視点からのアプローチ。

これは間接的に組織介入支援にもなっていくことも多いです。

 

いつまで経っても組織のトップが真に理解できないこともあるでしょう。

 

そこに勤めている人、個人がその環境下で幸せになる発想が持つことができれば、

それはこれからどこにいっても生き生きと活躍できるスキルを育むことにもなる。

 

キャリアコンサルタントは、

個人の成長を重視するアプローチが特に重要なスキルになると思います。

 

組織の方針や意向だけではなく、

個人の成長、レジリエンスを高めていくことに注力していく覚悟も必要です。

個人に焦点を当てた支援が、

実際、組織にとって価値があると考えていく実践家がいてもいいわけです。

 

そのためには、ひとの話しを真に聴く力が必須。

キャリア形成支援者のカウンセリングアプローチが弱い場合、

自己の体験も踏まえ、キャリア形成支援がうまくいかないと考えています。

キャリア形成支援を実践していくうえでの聴く力というものは、

経験を踏まえながらも、知恵と考えを深めていく訓練が必要になると思っています。