今日は土曜日ですが、

珍しく企業様の研修が午前中に入っていました。

先ほど終わったところで一息つきブログを書いています。

 

本日午後から、

放送大学の卒業研究ゼミにオンライン参加をいたします。

指導教員の先生やメンバーにお会いできることがとても楽しみです。

 

普段、大阪に来た時は、

土日2日間で1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催しているのですが、

今月と来月に関しては私のスケジュール都合で1日のみの設定となっています。

受講者様、誠に申し訳ございません。

ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

 

さて、先日のブログでは、

事例相談者の相談者への対応についての問題をどのように考えていくのか、

私のひとつの考え方を文字にいたしました。

 

「問題と思うことを挙げるのに、なんで良いところ等を見つけなければならないのか?」

 

「日本語の解釈として、または問いの文脈から考えて問われていることにただ答えればいいのではないか?」

 

といった疑問の声が私に届いてきそうな感じです。

※特にそのような声をいただいたわけではありません。

 

あえて意識した1級実技試験への考え方のひとつでもあると思うのです。

実践で役立つ認知過程を磨くためにも、

事例相談者にとってのより効果的な指導プランを描く訓練をしていく必要があると考えています。

例えば学術的知見等も踏まえながら、

自分なりの答えを導いていくことが大事だと考えています。

 

様々な視点から深く考えていくことは本質を掴む力を育て磨きます。

受検の準備も実践的な学びを通して行うからこそ意義のある学習体験等が得られるのだと思っています。


深くあれこれ考えることの不快さみたいなものを避けてしまった場合、

それはそこでとまってしまうことでもあります。

平坦で楽な捉えかただけにとどまることなく、

立体的にあれこれ思考を巡らせ展開していくことが、

ある意味その先にある面白さを味わうコツのひとつにもなるのでしょう。

 

お話しは戻り、

学びにきたキャリアコンサルタント(事例相談者)の活動内容(事例記録)を読み、

問題だと思うことを指摘する前に必要なこととして、

そのキャリアコンサルタントの良いところや持ち味を見つけ、

そこに関連する改善点と思われることをそのひとと共有できたらと考えます。

 

また、キャリアコンサルタント(事例相談者)自身が事例を通し自分の面談で気になっている点を、

指導者がその背景を含めて理解できるよう努め、

その理解につながる改善点を共に検討していくこと、

これが実際に問題把握や課題抽出になると考えています。

 

「問題だと思うこと」を事例記録からただダメ出しするだけの作業は、

事例指導を受けにきたキャリアコンサルタント(事例相談者)にとって効果的なフィードバックにもなりません。


極端に表現すれば、

それは実際の現場で役に立たない視点になるともいえるのかもしれません。

そうした視点をいくら磨いても、

キャリアコンサルタント(事例相談者)への育成的なかかわりには遠いことになりそうです。

 

問4で挙げた事例相談者Bの「問題」だと思うことの中から優先するものを取り上げ、具体的な指導方法を記述せよ。

 

こうした問いに対しても、実技試験なのですから、

キャリアコンサルタント(事例相談者)のモチベーションや受容性の向上が目指せる方法、

そして本人の自己認識の促進、建設的な対話の醸成等を踏まえた取り組みの工夫を取り入れたいものです。

 

こうしたことはフィードバックの研究でも、

強みベースでの指導の研究等でも、

指導者の共通のあり方として実証され、広く支持されています。


そして私たちがよく耳にするのポジティブ心理学などでも文献がありますよね。

フィードバックとモチベーションについての研究などでも探っています。

 

事例指導という営みは事例相談者自身の振り返りです。

そのために必要なポイントが論述試験問題に設定されているのですから、

各問の意図を事例指導の実践に置き換え、

自分なりに問いを転換してみることが必要でしょう。

 

なお、問5では上記の通り「優先するもの」と記されています。

ここでも事例指導者の「あなた」が優先したいものと捉える場合があると思います。

 

指導者が自己中心的になってしまうと事例相談者の主体性が奪われてしまいそうです。

気をつけておきたいところです。

 

前述した通り事例指導を実践的に考えると「優先するもの」は、

事例相談者が気になっている点につながるところが重要だと考えます。

 

指導者側の正義感などから、

(事例相談者の不出来な点(問題の箇所)を面談フレームに置き換えて、その前の方を優先するものとする)

などと決めつけていると、

結局その全ては、関係構築(傾聴など)のところが問題になってしまいそうです…

 

面談フレームの順番通りに前の方から問題を解決していくと決めてしまっている場合、

事例指導を受けにきた事例相談者自身が置いてけぼりになってしまいます。

 

事例指導の学習効果は、事例相談者の手柄になるものであり、

事例指導者のおかげで事例相談者が勉強になるわけではない…

そのように考えた方が良いかもしれません。