物事を異なるところからみて意見していくことも大切だと思うので、

そのままを文字にいたします。

※個人日記として記事にしています。

 

キャリア形成支援者が「キャリアコンサルティング」を考えていくとき、

以前から話題になることです。

 

注目されることに、キャリアコンサルタントの組織介入・支援展開等があります。

特に今は「企業組織」という点の露出度が高いと感じることがあります。

 

(キャリアコンサルタントには企業組織への支援ができる者が少ない…)

(よろず相談的なかかわりしかしていない、カウンセリングアプローチ的な一人への面談しかしていない)

と表現されることもあるようです。

 

その背景には、

キャリアコンサルタントの活躍の場、活動の場を拡大させていくというか、

社会に浸透させていくための施策があったり、

勿論、それだけではなく、

組織介入の実践力が社会全体に必要だからということで課題にしていることもあるでしょう。

これらができることがキャリアコンサルタントの実践力だと表現されることもあります。

 

特に最近、これらのテーマを改めて取り上げた講座やセミナー等の企画や機会が増え、

日々様々なところからメルマガ等で案内が配信されてきます。

 

個人的には違和感を感じることも多い。

何を焦っているのかな…という感じ。

諸々の講座情報等が連発してスマートフォン画面やPCメールソフトに受信されてきます。

嫌ならメール配信停止の手続きをすればいいのですが…苦笑

 

私自身、仕事柄、産業・組織分野関連の学習情報等を得ることが多く、

例えば、ひとつ取り上げると「リテンション」といった言葉がキーになる、

要するに、

人材確保や定着支援に焦点化した学習の場を謳っているプログラムも少なくありません。

 

仮に、上記のようなテーマに対し、

各キャリアコンサルタントがどのように考えているのか、

これは興味深いところです。

 

個人的に以下のように考えることがあります。

 

あくまで一例なのですが。

 

従業員の定着支援について、組織等に対しあれこれと介入し、

効果的な何かを提供し、キャリアコンサルタントが何かしらの対価を得たとしても、

これがキャリアコンサルタントの仕事の本質になるのだろうか…と思うことがあります。

 

組織や経営から一時的に感謝されたところで、

本当にそれがひとへのキャリア形成支援の本質になるのだろうかと疑問を抱くのです。

 

その企業組織の経営方針や価値観、意向、

さらには、その根底に経営者個人が持つ性格や人格、資質などが諸々の影響を及ぼすことのほうが多い。

※善し悪し関係なく。

 

勿論、経営者個人が抱えているキャリアの問題について相談を受けることもありますが、

それはここで表現している組織介入とは別です。

 

お話しは戻って、ひとのキャリア形成というものは、

そのひとにとって、所属している組織や経営者、上司等は然程関係がないと思えることがあります。

(そうした環境を変えようとすること自体、一過性の取り組みになってしまいそうです。)

 

本人を取り巻く環境として経営や上司等、諸々当然に影響はありますが、

まず、環境がどうであれ、結局のところ本人が

「どうあればよさそうか」というところからが支援の起点になることも大事です。

 

仮に、働くその企業組織環境や経営側がどうであれ、

その組織環境の中で働く従業員(ひと)の個々の物事の捉え方、認識、

そしてそれぞれの価値観などが豊かに変化・発展していくことで、

その集団の意味がそのひとにとって肯定的に変化したりすることも多い。

結局のところ(そのひとなんだよな)と実感することもあります。

 

こうした認識は個々のキャリア形成の重要なカギにもなるわけで、

例えば、

経営者や上司がいかにどう変わろうとも、

仕事がこれまでと変わろうとも、なんであろうと、

それぞれのひとの中で脈々と流れる根底にある柔らかな軸のようなもの、

それを一番大切に扱うことができることがキャリア形成支援の土台だと考えます。

 

本来のキャリア形成支援が、その個人への効果的な側面的支援として提供されたとき、

それぞれのひとの中で働く意味を見出すきっかけや動機づけにもつながります。

 

組織風土や文化、経営者、上司や部下、同僚等がどうであっても、

ここで縁あって働くことを選択したのであれば、それぞれにとって簡単には崩れない、

譲れない、そしてしなやかな軸みたいなものを育んでいくことになります。

勿論、結果としてそのひとが別の組織に移り変わることもひとつかもしれません。

 

結局、最終的には個々が決めていくことになります。

 

組織介入以上に労力を要する相談支援内容になりますが、

キャリア形成支援が、従業員の物事の捉え方の柔軟性、

そしてレジリエンス等を高めることに繋がれば、

結果として組織からみても、従業員の定着が見える形で評価できることになるかもしれません。

 

つまり、従業員の定着を目的に何かをすることではない、

ということが重要だと考えられるかもしれません。

 

これは「定着」だけでなく、

どんなテーマでも同じようなことがいえるかもしれません。

 

組織介入と個人への支援を同時にやろうとしないで、

まずは、一人ひとり、一つひとつを丁寧に進めていくことが個の充足感に繋がり、

結果として、それは組織が求めているものにつながっていったり、

経営者が求めているものへの近道にもなり得るのだということ。

これがキャリア形成支援者のひとつの役割とも考えることができるのかも。

 

「組織・組織」と躍起になっていること自体、

それを発するキャリアコンサルタントやその関係者が、

果たして何を求めているのか…と疑問を抱くことがある今日この頃です。

 

そもそもクライエントのためになるのであれば、なんでもいいのですが…汗