昨日は、日本キャリアカウンセリング研究会(JCC)主催特別講座

「1級キャリアコンサルティング技能士による事例指導講座」オンライン説明会が開催されました。

10名様ほどの方が参加され、初めてお会いした方も数名いらっしゃいました。

 

説明会ではありますが、

JCCの組織団体等の方針PRにはしたくなかったこともあり、

キャリア形成支援者同士での事例指導という営みについて、

きいて、かんじて、考えていただくような時間にいたしました。

 

説明会の途中、数名の方にこちらから問いかけていく場面をつくり、

その場でひとことお話しいただくシーンもございました。

 

本日は、朝の部と夜の部と2回の説明会の場がございます。

どちらも同じく10名様ほどの予約者様がいらっしゃるとのこと。

お会いできることを心から楽しみにしています。

 

なお、昨日の説明会では取り入れなかった内容ですが、

本日は、このブログ記事のタイトルについて、

参加者の方々とご一緒に考えてみたいと思っています。

 

国は、職業能力開発促進法の法律で、キャリアコンサルティングの定義として、

「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」

としています。

 

これは1級キャリアコンサルティング技能士を目指すひとに限らず、

国家資格キャリアコンサルタントに登録しているひと全員が理解しているのかもしれません。

 

一方、実際に自らがキャリア形成支援活動等をおこなっていると考えているひとの中には、

(あれは違う、これは違う)というような、

キャリアコンサルティングとはこういうものだ、こういうものが求められていると、

どこかでそれぞれの考えを主張することも少なくありません。

 

国の定義を要約すれば、

労働者や労働者になろうとする者のキャリア支援を行うことであると表現できます。

内容を整理してみれば法や職業倫理等の遵守を前提に、

・キャリアや仕事等に関する不安や悩みの相談支援(労働者等が主体となった問題解決等)
・相談者の適正に合った仕事選択への支援
・求職諸活動等に関連する書類作成等の多様な支援

・相談者の関係者、関係組織等からの相談対応や助言支援等

といったところが主なポイントにもなるとなります。

 

これらの機能は日常でのひと同士でのかかわり

(例えば、上司と部下等のコミュニケーション等)

と変わらない要素等もあるかもしれません。


情報交換のための記号の役割として言葉を交わすのであれば、

キャリアコンサルタントと呼ばれるひとだけが、

その能力に長けているということでもないと思います。

ことばのもつ創造性をそのひとの立場で理解していこうとするところに、

キャリア形成支援をおこなう前の大事なプロセスがあるはずです。


そもそもキャリアコンサルタントに求められるるものは知識や能力以上に、

人間性や人間観、そのひとの持つ哲学について、

常に磨きあげ続けていく覚悟を持っていることなどが大前提に挙げられるかもしれません。

 

なぜキャリアコンサルタントという役割があるのか。

 

それは、たとえ普段の営みの中であったとしても、

キャリア理論やカウンセリングアプローチを適切に理解し、

対話に取り入れていきながら実践し続けている者だからこそ、そのセンスが磨かれ、

その場で適切(相談者にとって適切)に取り入れていく機会を見出し、

理論等に支えられた、ひとへの支援が体現できるからだと考えます。

 

そうしたかかわりができることは、

例えば日常業務のワンシーンでもその一端を担います。

キャリア形成支援の機能の一部になるわけです。

 

決して、教科書通り、型通りに一通りやらなければキャリア形成支援ではないとか、

また、かかわりの角度、入り口が異なるとキャリア形成支援ではないなどと、

妙に形式ばった考えでは、本来のひとへの支援にはならないように考えます。

 

(こういうものだ)とキャリア形成支援者が決めることではありません。

 

(キャリアコンサルティングはこうあるべき)

(国が求めているキャリアコンサルティングはこうだ)

と表現した途端、相談者を置き去りにしていることにもなりかねません。

どこをみて活動をしているのか…ということに直面するでしょう。

 

キャリアコンサルティングの基本的な流れが参考までにオフシャル公開されていますが、

あくまでそれはそれだと思います。

 

その流れがなければキャリアコンサルティングではないとか、

セルフ・キャリアドックを導入しなければならないとか、

ジョブ・カードの作成支援が必須であるとか、

ひとのキャリア形成支援というものは、そんなことだけではありません。

それらはあくまでツールとしての認識でいいはずです。

 

「キャリア」というワードやイメージ等にとらわれず、

対人援助の実践家として、心理支援を多様な角度から学び直す必要があるように考えます。

 

ひとの心をわかろうと理解する努力をあれこれと継続していくことで、

困っているひとを助けたり、社会をより善き方向へと創造していくための学びにつながり、

それを生涯に渡り持続していくことしかありません。

そして現場でより多くの相談者に出会うことを能動的に実践していく工夫が必須です。

 

キャリアコンサルティングはこうだと決めつけている時点で、

なにかにとらわれているようにも思うのです。

 

今日はそんなテーマも取り入れてみたいと思っています。