例えば、
1級キャリアコンサルティング技能検定試験論述問題では事例(ケース)が出題されますが、
そこに描かれている文字たちを理解する際、
それをひとつの事例として全体で評価してしまうことがあります。
これはとても危険というか、重要なことが抜け落ちてしまうと思うのです。
以前も記事にしているのですが、
結果としての事例を理解するのではなく、
描かれている記録から、
一つひとつのプロセスを丁寧に読み込みあれこれ理解しようとすることが必要です。
相談者から何かしらの発言(仮に1とする)を受け、
事例相談者がそれに対し集中して考えている。
次に相談者の発言(仮に2とする)を受け、
これまで1について考えていたことを踏まえて2を考えていく。
仮に、2の発言だけを受ける場合と異なるわけです。
2を受けて考えていくことには、1で受けた影響・関係を無視できません。
勿論、3もあり4もあるでしょう。
事例相談者(記録者)の立場でそれを考えてみることが必要でしょう。
全てが複雑に関係していることが感じられます。
事例記録を理解していく際、この構成プロセスを無視してしまっては、
時期尚早な粗い解釈に繋がる可能性があるのです。
事例には一つひとつが切り離されているものなどなく、
出来事等を何かしらの意味を含めてつなぎ合わせていることも多い。
多視点的な構造をもっていると表現できると思います。
人から事例記録を預かったら、
その人(事例相談者)の立場等を味わうためにも、
記録を描いた側の立場になって、
それをひとつの物語として理解していこうとする態度が事例指導者には必要なこともあるのではないかと思います。
明日朝、CVCLABでは6月に開催する1級対策講座の受講者様を募集します。
※今年の4月の講座説明会に参加いただいた方を対象にご案内いたします。
論述をテーマにした講座プログラムにおいては、
上記の構成プロセス等を感じながら、
皆様と実践的な学びを深めていきたいと思います。
それは事例指導の面接(ロールプレイ)にも影響してくることだと考えています。