昨日、2024年度1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座をスタートいたしました。

 

プログラムのひとつとして、

ある言葉の力の意味を考える時間を受講者の皆様ともちました。

 

様々に個々が抱くイメージが言葉に力をもたせることにもなったと思いますし、

また、改めて言葉の意味がダイナミックに変化する小さな体験を感じた時間にもなったのではないかと考えています。

 

指導レベルキャリアコンサルタントのあり方のひとつとして、

純粋にわからないことを認める姿勢があると思います。

それはもしかするとひとによっては結構な覚悟を要することなのかもしれません。

 

例えば、指導者なのだから、

聞かれてもある程度のことをわかっていないと…

せめて正しいと思われるこたえを出さないと…

指導者の立場にあると、

こうした認識を大なり小なり抱いていることもあるのかもしれません。

 

実際には、

知らないことに持ち堪える能力の方が余程重要だったりもします。

 

不確実さ、不明瞭さに留まれることが真の創造性を生み出すことにもなり、

事例相談者との関係性において、それを共に感じられる場が本当に大切だと思うのです。

 

それは、表層的にただ黙っていればいいとか、沈黙に耐えるとか、

効果的な言葉を探して投げかけるとか、そうした形程度のものなどではありません。

 

どちらにせよ、時期尚早の粗い解釈をすることは、

目の前のひとの思考やこころの働きをとめてしまうことが大いにあります。

事例指導者の粗い解釈や経験値の影響がネガティブに働き、

事例相談者がもつ創造力が発揮されなくなる。

 

事例指導者が安心したいがために、

すでに自分の知っていることを持ち出したりすることが、

事例相談者の成長の阻害要因になることがあるから気をつけたいもの。

 

指導者や講師が知っていることばかりを持ち出しているプログラムを観察していると、

多様な意味で、現場にある効果的ではないと思われる支援場面等に類似している現象が、

その講義等の中でも実際に起きていることがあります。

 

とても難しいことかもしれませんが、

無力な自分を思い知ることが、

相談支援をおこなうものにとって、専門家としての成長につながるのだと考えます。

そしてこれは熟達レベルやベテランの方ほど、

そうした意識が大切になってくるのだと思います。

 

なお、この記事は自身への戒めに書いています…汗