1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受検される方や、
諸団体等の特定のスーパーバイザー養成講座などを受ける方は、
程度の差があったとしても、ひとへの指導のあり方やスーパービジョン等に関する資料、
または文献等、さまざまなものを読んだりきいたり、また体験したりしていると思います。
ここでは1級キャリアコンサルティング技能士に焦点を当てて書きますが、
結局のところ1級といっても事例指導に関して同じ見方、考え方を持っているわけではなく、
また、事例指導を実践していく際のスタイル等も一致するわけではありません。
とても極端な表現で例えますが指導者として、
統制・規律・原則的を重視し、指示・教育的で、
一歩?引き、他人的で俯瞰したものの見方を顕著に示し、
どこか威圧感・高圧的な態度が見え隠れし、強烈な印象、とてもできる感の強いひと…
こうした事例指導者がいるかどうか知りませんが、
もし事例指導者からこのような態度が感じられれば、
多くの事例相談者は過度にかまえてしまうと想像します。
逆に、
自由で否定されることなく自分のことを根本から支持されている感覚を得られ、
実に公平かつ平等的で受容的で理解を示してくれるような感じのひと…
こうした事例指導者がいるとすれば、
それは良い事例指導者、善き理解者として感じられるのかもしれません。
このブログの記事や講座の中で、
一貫してこのようなお話しに触れてきていることと、
実際にそうしたかかわりについて体験等をしていただいた方も何人かいらっしゃいます。
以前私が受講したある講義の中で、
上記類のテーマに触れた研究データ等を用い、
「スーパービジョン経験を詳細に分析」したものがあるとのことで説明を受けたことがあります。
紹介されたものは他分野でのスーパービジョンの中でのバイジーとバイザーとの関係に関する研究のひとつだったですが、
上記に示したような指導側(バイザー)のスタイルは、
例えばどちらかに傾向があろうとも、
それは少なくとも相談する側(バイジー)の特徴やその人が持つ特性等による関わり方にも相当な影響を受けるということです。
ですから関係は事例指導者の指導スタイル等だけに影響を受けているわけではなく、
事例相談者の特性みたいなものにも相応に影響を受けるということですね。
(そんなことは当然だよ)
と聞こえてきそうですが…
だからと言って、
それはどうしようもないこと。
運でしかないから。
といってしまっていたとしたら、
これは現場に置き換えてみてもいつまで経っても事例指導活動のクオリティをあげていくことができなくなってしまいます。
お話しは戻り、
事例相談者がもつ気質や特性、パーソナリティー、独自の考え方や態度等によって、
事例指導者が備えている、統制的で規律・原則を重視し、
指示的、教育的で、他人を俯瞰したものの見方を顕著に示す。
どこか威圧感・高圧的な態度がありできる感を示す。
それらが防衛的に統合され発動することもあれば、どれかがひとつ出現することもある。
緩やかな場合もあれば強烈なこともあるかもしれません。
また、事例相談者によって、
事例指導者には自由で否定せず根本から支持していく態度が生まれ、
公平かつ平等的で受容的に理解を示していく柔らかであたたかい感じの雰囲気が醸し出されていくこともある。
そうしたかかわりの特徴が、
事例相談者の変化等によって顕著にも緩やかにも出てくることがあるのだということです。
これはどんなベテランの事例指導者でも、
余裕な表情を繕いながらも、
事例相談者によって多かれ少なかれ影響を受けるもの。
とても興味深いことだと思います。
そしてこれは専門家としてずっと付き合っていく永遠の課題にもなるのかもしれません。
この揺れ幅みたいなものを自分で感じ理解していく訓練を重ねていることが、
少しずつ自己内でのコントロール感を磨いていくことにもつながるのかな…と感じています。
私自身「安定した面談を目指す」という表現を簡単にしてしまうことがあります。
これは反省しておきたいことのひとつにもなると考えています。