第13回1級キャリアコンサルティング技能検定試験の合格発表(Web発表)まであと10日間となりました。

同時に第31回2級キャリアコンサルティング技能検定試験の合格発表もあります。

 

令和6年にキャリアコンサルティング技能士が何名誕生するのかとても楽しみですし、

また、それは今後のキャリア形成支援者の実践力や質向上を目指していくうえで重要な要素になると考えています。

そしてこれは永遠に取り組んでいく必要があるものなのでしょう。

 

見方を変え、

CC技能士への挑戦というものは「キャリアコンサルタントを生きる」一人ひとりが、

自身で「考える力」を醸成することにつながるものだと思います。

少なくともそういう検定試験だと認識しています。

 

自分自身がこの業界全体の質や実践力、

社会的意義等を高めていく主体であるということを自覚する必要があります。

※私自身への戒めです。

 

現在、私はキャリアコンサルタント職の成長的支援諸活動として、

自身の研鑽を含め、主に1級(指導レベルCC)の実践力養成に特化した活動をしています。

それは結果として1級合格者の輩出に少しずつ寄与していると自負していますし、

実質的に2級(熟練レベルCC)の現場力・実践力の向上にもつながっていることを自覚しています。

 

さて、この1級の試験で意識しておく必要があると思われる大事な前提を私なりに考えてひとつ挙げてみます。

ひとによって異なることもあると思いますが、特に共通項になるのではないかと考えている点を挙げてみます。

 

以前から記事にしていることではありますが、

私は「事例指導」という場について、専門的技術の向上を目的として、

継続的に実施されていく訓練のひとつであると教えられてきました。

 

この専門的技術という表現ですが、

キャリア形成支援者にとってある領域や分野に関して職人芸的なことを指しているわけではありません。

 

対人援助職としての基本的態度をもつ前提を指します。

 

無知な自分を恥じ、必死に勉強を重ね、

どうかすると難しい言葉や専門用語を多様頻発して

「できる自分」として錯覚している場合もあるかもしれません。

そういうところをくすぐっているものも世の中には存在します。

 

ひとの立場を感じる、真に知識が豊富でしなやか、

前のめりではないそうしたバランス感覚のある健康な思考を磨きたいものです。

 

基本の水準の幅や深さ、広がりはあれど、その基本の軸が磨かれているのか、

常に自身のみるところや視野、視座に疑問を抱くことができるか、

ということが専門的技術というところにつながっていると考えます。

 

そこで前提として大事なことに「深い共感的理解」を考えます。

 

事例指導者が事例相談者に対してそうした態度を実践しようとできるからこそ、

事例相談者は専門家としての自己をみつめることができるようになる作用もでてくるのかもしれません。

 

事例指導の今ここでの場において、

事例相談者と事例指導者の良好・建設的ともいえる関係が土台にあれば、

より意義のある事例指導の場が成立していくのだと思います。

これはスーパービジョン等でも同じことがいえるのではないでしょうか。

 

当然のことを記しているようにも感じますが、これがなかなか実践レベルでは難しい。

 

事例相談者と事例指導者の二人の関係を規定する今ここの場を共同で創造し合うことは、

事例指導者側が留意しなければならない点、意識しなければならない点がそれなりにあるものです。

 

仮にこの大事なところで事例指導者が投げやりになっていたり、

ひと任せや受動的になってしまっていたりすれば、

生きた事例指導の場つくりには届かないものだと思います。

 

一貫し、そうした関係を大切にした関わりが必須になるのだと感じます。

 

例えば

「問題把握力」「具体的展開力」はこうしないといけないのだ…

といったようなことを強制する場合があるようにも伺いますが、

それでは事例相談者を看ていない、感じていない、

そもそもわかろうとしていないことにつながります。

 

「解を与える」「解を導く」ことはハウツーだけになりかねません。

 

「考える」という本質を読み解いていく力を培っていくことに

専門家同士による事例指導という場があり、

またそこに事例指導者の役割があるのだと思います。