1級キャリアコンサルティング技能検定試験を考えるとき、

まずキャリアコンサルティング技能検定のホームページへアクセスすることがあると思います。

受検資格や試験の形式、そして評価区分や関連する内容等を確認していくのでしょう。

 

書かれている文字たちから得られた情報を自分の中で現実的に立体化していくために、

例えば、

誰かが配信している動画や音声コンテンツを探してみたり、

ブログやSNSサイトを回遊してみたり…。

じきに知人や友人、学び仲間などからの口コミ等の情報や評価をたどり、

講座や勉強会等に参加することもあるでしょう。

 

こうしたとき、忘れてはならない土台があると考え、

これを「共通の合意点を見出す」として表現しようと思います。

 

他者との対話を通し、洞察力を引き出していくやりとりやその過程は、

予め用意された考えや言葉ではなく、

その時々、瞬間瞬間に生まれた言葉こそが本質的な価値を帯びます。

 

どこかで借りてきた言葉を放っても

何も響かないことを知っていることが必要だと思います。

これはキャリア形成支援を現場で実践している中で、

多かれ少なかれ多くの支援者が体験していることではないでしょうか。

 

事例指導の面接でも同様のことがいえます。

 

ところが試験への準備や対策、そして当日になると、

その基本中の基本である土台をすっかり忘れてしまうことがあるかもしれません。

 

事例指導者は全てにおいての知の保有者ではありません。

仮に事例指導者が備え持つ知を事例相談者に指し示したところで、

相手にとって諸々の阻害要因にさえなってしまうことがあります。

 

創造的なアイデアを得て、互いに仮説をもち、キャリア支援プランを検討して、

実際にその支援行動化をして成功させるためには、

自分と違う他者との協働が欠かせないのだということです。

これが事例指導の醍醐味でもあり、事例指導者の手柄ではありません。

 

創造的なアイデアというものは、

「他者から得られるひらめきと自己の考えや感じ方をぶつけて得られる洞察」

これなしには生まれないものです。

 

こうした土台を軸として毎度実践を現場で日頃から積み重ねていくことが訓練でもあり、

また、勉強会や講座、セミナー等の特別な場においても、

日頃の積み上げの基本をその場での学習者と共に試すことができる場として活用していく、

その意識が重要なのだと思います。

 

これは一朝一夕で上達していくことではなく、この学びに終わりはないはずです。

 

対話と洞察についての基本的な体験知識と概念の整理、
相手の洞察を引き出す対話を具体化するための連続性の場をつくりだすこと、
自分と異なる相手とのキャリア支援に関する本質的な対話体験、

これらをロールプレイ等を通して期待できる場が、

キャリアコンサルタント同士に必要なトレーニングの場になると考えます。

 

事例指導者の役割を担うもの(1級の諸活動を目指す方等)が、

自己の考えや感じ方、自分に備わっているものに気がつかないうちは、

全貌の半分も見えていないと教えられてきました。


事例指導の場面において協働的な役割をお互いに維持できるためには、

事例指導者が何かを指摘したり与えるのではなく、

事例相談者の洞察、知やこれまでの経験等を意味づけ引き出すことが重要です。

何かを教え込み、押しつけるのではなく、事例相談者の力を引き出すこと。

 

これは指導レベルキャリアコンサルタントに重要なひとつの態度になると考えます。