前回の記事でネットワークや環境に関することをひとつの考え方から書いてみましたが、

読者の皆様はどのようにお考えになられたでしょうか。


引き続き、

第13回1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験の問3について記事にしてみたいと思います。


なお、このブログに書いていることは、

試験における模範的と思われるような解答等ではなく、

私自身が現場での実践に置き換えて考えてみている内容となります。

※試験とか実践とか器用にその考えを変えることなど私にはできませんが…


最適解があるとすればそこに近づきたい思いもないことはないのですが、

そもそもこの諸活動等において最適解など存在しないでしょう。


もちろん、唯一の正解等もございません。


諸々複雑な要因等がその時々で変化していくことなどから、

ひとつの最適解や正解などには収まりがつかないですし、

全ての状況等が都度ダイナミックに変化していきます。


元々相談をしているひとの中にそのときのその人にとっての最適解の選択があるとすればあるのでしょう。

これを事例指導やスーパービジョンで導き出すことなどできないと思います。

だからこそ人間への興味深さが増すのでしょう。


お話しは戻ります。

 

問3 相談者Aを支援するために必要なネットワークは何か。相談者Aの置かれた環境への働きかけについて関係機関や関係者との連携も考慮し、記述せよ。(20点)

 

今回のこの事例における相談者Aを支援するには、


例えば、


相談者Aが自身の新たな仕事などに挑戦していきたくなるような動機付けのシステムがあることや、

組織コミットがアップされていくような仕掛けが大事にもなると思います。


本人が主体的に自己成長イメージを明確化して向上させていけるようなロールモデルが提示されるとか、

これまでの貢献が丁寧且つポジティブにフィードバックされていくとか。


700名規模の会社であればストレスチェック制度や部署ごとの集団分析等を経て、

従業員の声を吸い上げていくような健康経営のあり方も問われていくでしょう。


事例相談者Bは相談者Aの非言語的な要素を記録に残しており、

また、事例相談者B自身「穏やかな口調で」「優しい口調で」「気楽に考えられるように」といった情報をわざわざ記録に表現しています。


相応になにかを察知している様子が窺えるわけです。

これらから問3を下記のようにまとめてみることもできると思います。


『事例相談者Bが所属する人材開発部門と経営陣、及び産業保険スタッフとの連携。

管理職を目指してもらう有望な人材に、主体性を尊重した人事を展開していくうえで、各部署におけるキャリアパス等を明確に示すことや、打診をする前に個別性を加味した準備を丁寧に重ねていける職場環境の醸成を図ることが大事。

相談者Aは責任感の強い考え方と余裕のない性格の持ち主という傾向が感じられるとのことからメンタルヘルス(一次予防等)を推進するため産業保健スタッフへの働きかけも必要。

課長の「大丈夫、私も苦手だった」等の発言から、従業員一人ひとりに対する会社側の個別サポートの認識が弱いことが窺える。』


問1や問2で示してきた生活面でのプランニングについて、

例えばこの問3でもファイナンシャルプランナー等を挙げがちかもしれませんが、

それはもしかしたら現実的ではない気もします。

※実際、この水準の場面でマネーについて専門家に相談することはあまりないように思います。


すでに、問2で家族会議等に取り組むことを触れていれば、マネーについてはひとつのステップを踏めることも期待でき、

以上に来談で特に気にしている点に話しを戻した方がよい場合もあります。


つまり、

このネットワークや環境のところでマネープラン等をテーマにするよりも、

より現実的なところを取り上げる方が相談者Aを担当した事例相談者Bにとってもイメージしやすい感じです。


こればかりはひとによって支援のあり方に異なりがあると思いますのでなんとも言えませんが…。


色々考えてみたいところですね。


次回は問4についての考え方を書いてみます。