第13回1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験の問3について、

ひとつの考え方から記事にしてみたいと思います。

 

問3 相談者Aを支援するために必要なネットワークは何か。相談者Aの置かれた環境への働きかけについて関係機関や関係者との連携も考慮し、記述せよ。(20点)

 

今回のこの事例を読んでいくと、

事例相談者Bは、相談者Aに対してよき先輩であろうという側面があったかもしれません。

事例相談者Bと相談者Aのプロフィールをみても、

事例相談者Bにしてみれば、心理的な距離感を含めてパラレル感があり、

放つ言葉や態度に同調がみられます。

 

キャリアコンサルティングというよりは、

社内におけるメンタリングがおこなわれているような感じにも近い…。

 

もう少し相談者Aの立場で今の会社のキャリアパス等について本人が何を感じているのか、その人にとってのロールモデルがあるのか、

そもそもそれらがその人にとって明確にあるのかなどの理解が必要になる場面なのかもしれません。

 

そもそもメンタリングとキャリアカウンセリングを同じ人が行う場合のデメリットは、個々の専門知識やスキルセットの違いによる影響です。

 

メンタリングは通常、社内事務局側がしっかりとマッチング作業を経たうえでペアを決め、経験豊富なメンターが経験や洞察を共有しアドバイスを提供するものでしょう。

 

一方で、キャリアカウンセリングはキャリアパスや目標設定に関する専門的な指導が求められます。

 

もし同じ人が両方を担当する場合、十分な専門知識や経験がないと、

効果的なサポートを提供できないかもしれません。

 

これを事例相談者Bが所属するこの会社の人材開発部門(キャリア相談窓口)自体が理解できていなければ、

メンター制度とキャリアコンサルティングをごっちゃにしていることにもなります。

 

予算管理のあり方などを含めて従業員へのキャリアパス制度なども明確にしながら、

従業員の成長を促す仕掛けが必要です。

特にメンター制度とキャリア形成支援が混在している環境でもあるので、

組織体制として役割を整理したサービス展開をしたいところですね。

 

相談者Aを支援するためのネットワークには、

こうしたところからも考えられるかもしれません。

 

また、事例相談者Bは事例において、

「Aは力のない声で訴えた」

と観察しているところがあります。

 

さらに所感のところでは、

「責任感が強く仕事ぶりもきっちりしている」

「考え方に余裕がない」

「もう少し気楽に考えられるように」

と相談者Aを評価しています。

 

事例相談者Bがこれらの観察ができているのであれば、

メンタルヘルス推進、特に一次予防の心理教育を展開することは重要でしょう。

その延長線上にその人がどう働いていきたいのか等を、

組織と個人で共有していくチャンスが生まれてくることも期待できます。

 

次回はこれらを具体的にまとめて表現してみたいと思います。