第13回1級キャリアコンサルティング技能検定の実技試験を受検された方、
おつかれさまでした。
昨日で面接試験が終了していると存じます。
※下旬の予備日を除き終了と認識しています。
先ず、これまで1級受検準備等に努力を積み重ねてきたご自身を労ってほしいと思います。
そして振り返りではぜひ「できたこと」を見つけてほしいです。
失敗から学ぶということも確かにありますが、
それは余程強靭な心の持ち主だったり、失敗しても情熱を失わないひと、
失敗をバネにできるような底力を備えているひとだったりもします。
うまくいかなかったところを見つめれば見つめるほど、
大概落ち込むことが多いのではないかと感じます。
失敗に愕然としたり、やる気が失せて投げ出してしまったり、
自分の無力感を覚えてしまうことも多いように思います。
「〇〇すればよかった…」
「またダメだった…」
こうした反省のような自己の嘆きは、
自分を負のスパイラルに持っていきやすいともいわれます。
場合によっては他の何かに原因を当てつけなければやってられなくもなったり…。
こうした状態にならないためにも大事なことは
自身の「できたこと」「グッドポイント」を見つめることです。
講座の中でもポジティブフィードバックに重点を置いていましたが、
それはこうした訓練でもあります。
他者に対し真の肯定的なフィードバックを出せる方は、
まず自分を大切にできる状態にあるときでしょう。
自尊感情を大切に育てる状態を保ちたいものです。
ひとりで自分の良い点がわからない場合、
自分の良いところに意味づけしてフィードバックしてくれる信頼できるひとを見つけ、
そこから手がかりを得て自己を見つめてほしいと思います。
成長に効果的なフィードバックとは、
「こうしたらいい」とか「こんなときはこうするのだ」
という類のことを伝えることではありません。
ロールプレイの相手との対応方法ではなく、
その場で目の前にいるひとに焦点化してくれます。
そんな信頼できる仲間が必要なときもあります。
かなり極端な表現をすれば、
受検直後にうまくいかなかったことや失敗等を見つめていても悪循環に陥ることも多い。
失敗の場面等を過度に意識してしまう場合、
思考だけでなく態度や言葉等までも否定的になってしまい、
益々自己嫌悪になることもあります。
大事なことは失敗したことなどよりも、
自分なりに「できた」と思えること、それも小さな小さなところの積み重ね。
そもそも面接の行方など自分だけのせいではありません。
事例相談者役との事例指導面接(ロールプレイ)自体を、
その場に不在の第三者(仲間等)がその面接の対応方法等に口を出すこと自体ナンセンスだと思うのです。
ロールプレイのその場での相互関係によるダイナミックな反応や変化等によって結果そのようになっただけであり、
リアルに対応した自分だからこそ「できたこと」を見つめることができるのです。
ダメ出しモードへ焦点化していくような場ではなく、
自分の大事なものを置き去りにしない振り返りを実施してほしいと思います。
3月21日以降、結果発表の際に1級に合格していても、
こうしたことはずっと訓練し続けていく必要があるはずです。
お話しが少し変わりますが…
一例として、
事例相談者が柔軟に考えを巡らせることができなくなるのは、
面接の後半から終盤等において、
事例指導者主導で考えを整理させようと介入し過ぎてしまったり、
余計な説明をし過ぎることも原因のひとつです。
事例指導者がなにかしようとすればするほど、
事例相談者は動けなくなることがあるのです。
例えば、組織内等でも散見される現象として、
「指示待ち族」というような些か陳腐な言葉に示されることがあります。
指示を出している指導する側に問題があるということに肝心の上司が気づけない。
あれこれ言うから部下は指示を待つようになる。
つまりやらされ感満載の部下をつくってしまうことになります。
上記の「できたこと」にもつながるのですが、
相手が自分自身を見つめられる、考えられる場をつくること、
それが事例指導者の役割の大事なポイントだと思います。
なぜ指導者がそこで黙っておくことができないのか、
経歴のある方やベテラン勢にある傾向なのかもしれません。
受検者様同士での振り返りなどでも同じようなことが起きやすいのかもしれません。
今回の記事では振り返りのあり方に少しだけ触れてみました。