本日も大阪と東京で1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験が実施されます。

受検される方は少しでも落ち着いて臨んでほしいと思います。

 

事例指導の面接ロールプレイ自体、事例指導者の思い通りにいくことなどなく、

事例相談者の考えや視点に注意を向けて話しをきくことが、

事例相談者にとっての発展的な質問を提供できることにつながります。

 

事例指導者が自分の理解だけのために焦ってしまい、

事例相談者の大事な言葉(考え等)を遮っているシーンを観察することがありますので、

なるべく早めに穏やかな気持ちを取り戻してロールプレイを丁寧にしてほしいと思います。

 

さて、私は昨晩のうちに大阪から横浜へ移動いたしました。

本日から2日間、横浜にて1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験直前対策講座を開催いたします。

 

東京では今月18日まで面接試験が設定されているので、

明日12日が受検日の方を含めて来週末に受検される方も対象にした直前対策講座です。

ご一緒に充実した学びの時間を過ごしましょう♪

この講座が試験に向け少しでも個々での精神的な側面を整えていく場になってくれたらと願っています。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験準備として、

ロールプレイを考える際の「あるある」を2点文字にしてみたいと思います。

 

1点目です。

 

事例相談者から事例(ケース)をお預かりしたとき等を含め、

事例指導者から頻繁に「ありがとうございます」と言葉にしているシーン。

 

何かにつけ「ありがとうございます」と発している。

 

「ありがとうございます」

と言葉にすることを悪いと書くつもりはありません。

「ありがとうございます」と癖のように頻繁に発している場合があるのです。

 

一例ですが、

ケースをまとめてきてくれてありがとうございます…

丁寧に説明してくれてありがとうございます…

ケースを振り返ってくれてありがとうございます…

(何かしらの提案に事例相談者が合意をしてくれたとき)ありがとうございます…

 

改めて、

「ありがとうございます」

と節々に発している事例指導者の姿をイメージしてみると、

なんだか変だなぁ…

と感じる方はいらっしゃるのではないでしょうか。

 

実際の実践事例指導の場面において、

事例指導者から事例相談者に対して一つひとつの事柄に

「ありがとうございます」と声をかけることはあまりないように思います。

 

逆に、事例相談者の側から、

その人の気持ちの内側で「ありがとう」という気持ちが真にわきあがってきたとき、

事例相談者からその言葉を言われることがあるでしょう。

 

勿論、事例指導者も、事例相談者との出会いに感謝する場面や、

面接を通して事例相談者から学びを得たり、気づきを得た点を踏まえ、

最後に真の「ありがとう」を伝えることはあります。

 

ロールプレイ等で事例指導者から頻繁に「ありがとうございます」となるのは、

事例指導者(受検者)の中で、事例相談者との関係性の影響から、

なにかしら反射的なことが起こっているからなのかもしれません。

 

これでは単に会話の息継ぎのような「ありがとう」になっていて、

事例相談者からすれば、それが気になって思考の邪魔をしてしまうこともあるでしょう。

 

2点目は、

事例(ケース)を預かったとき、事例指導者がその場でケース概要を読み上げてしまうことです。

 

もちろん、色々なスタイルがあっていいのだと思います。

 

事例相談者がまとめた事例記録を、

事例指導者が文字面を声に出して読み上げたところで、

その時間、それしか情報が得られないことにもなります。

 

実践でも大事なことは、

言葉にすることでその人が持つ固有の世界観が描かれていくことを大切にできるかどうかだと考えます。

つまり、事例相談者が自身でまとめた事例を、

目の前の事例指導者に実際に説明することによって、

その人なりのキャリア支援者としての世界観・支援感覚等が言葉にできる機会にもなるのです。

これは事例相談者が語りながら考えることもでき、

また事例相談者自身が新たな気づきにつながるチャンスを得ることにもなります。

 

「え?このケース内容を全部読むんですか??」

と事例相談者から言われたらどうしましょう…

といったことを心配している事例指導者がいらっしゃるかもしれません。

これはおふたりの関係性において、それ以前の問題があるのかも。

また、そのように言われても、特段戸惑う必要はないでしょう。

事例相談者が自己のケースを指導者に説明する意図を簡潔に伝えればよいと思います。

 

妙に敏感になり過ぎて(のっけから抵抗を受けてしまった)と考える事例指導者では、

せっかくお互いを分かり合えるチャンス自体を見失うことにもなりかねません。

 

事例指導者は、

事例相談者に対する自己の行動(アクション)の影響一つひとつにもその意図を考え、

事例相談者に集中していくことがロールプレイでも重要なポイントになるのだと思います。

 

お互いに頑張りましょう!