本日も横浜会場で1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験の対策講座を開催いたしました。

今朝の関東地区の地震によって一部電車に遅延が発生していましたが、

無事にご予約いただいた皆さまにお集まりいただき先ほど終えたところです。

受講いただいた方、改めて御礼申し上げます。

どうもありがとうございました。


さて、

今回の記事では事例指導においての傾聴の意義、

その基本について少し触れてみたいと思います。


聴くと聞く。

今更ながらですが考えてみることはとても大切です。

 

事例指導の場において事例指導者が聴く態度を保とうとしていくことは、

事例相談者にとってのよきモデルになることがあります。


逆にこちらの話を聴けない事例指導者は嫌かもしれませんね…

 

事例指導者が話しを聴くことに徹するのは、

事例相談者が自ら言葉にすることによる効果、

いわゆる自己の思いや考え、意見が整理されていくということをわかっているからでしょう。


例えば、

事例相談者が自分のケースの振り返りで抱くモヤモヤした感じや困難さ、理解が及ばない感じ、

自信のなさや無力感、力不足などを感じている状態にあるとします。


語ることによりこの事例相談者の情緒的な側面や思考が整理されていき、

自らの改善的な視点を得られたり、解決への行動化に移りやすくなります。


(事例相談者はクライエントじゃないんだから、そこまで意識しなくてもいいよ)

と考えている人もいるのかもしれません。

それは事例相談者のイチを感じていない状態での認識になると考えます。


事例相談者のペースで事例相談者が主体となり行き来することができれば、

自己のその気になる点へのアクセスが良好になり、幾度か回数が重なり、緩やかながらも事例指導者にもそれを理解されていく過程を味わうことにもつながります。


この相手のペースを大事にできる事例指導者は、

自己制御しながら自分の考えを押し付けない態度を取り続けることができます。


よって事例相談者は事例指導者に対して安心と信頼を感じられるように変化するのだと考えます。


これは人間同士のコミュニケーション力の土台なのだとつくづく思います。


人間関係性が醸成されていけばいくほど、

事例相談者が自らを振り返っていく過程の質が向上し自己成長を実感できるチャンスが訪れてきます。


1級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験において、

一見当たり前ともいえるこの基本的な態度ですが、

どうかすると熟達者ほどそこに徹することができないこともあり、

それは例年の1級実技試験結果データに反映されているのではないかと考えます。


本当に聴く力やその効果等を幾度も様々なシーンで体験学習している場合、

相手がどのような事例相談者であったとしても、

30分間のロールプレイは至極安定した場を提供できるようにもなると思います。


聞くだけではなく「聴く」ということが目の前の事例相談者にとってどんな意味をもつのか…

試験直前だからこそ改めて自問自答していくことも大切なのでしょう。