昨日から再び大阪に入っています。
先ほど妻に連れられ難波八坂神社へ行ってまいりました。
「獅子殿を一目見たくて」
ということで一緒に来てみたのです。
凄い迫力…
外国人の方が次から次へと記念撮影されていたので、
人が写り込まないように獅子殿を撮影するのが至難の業でした(苦笑)
さて、今回の記事タイトルにうつります。
事例指導の実践をひとつのあり方で改めて文字にしてみたいと思います。
これは1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験においても要点になり得ることだと考えています。
時折、事例指導者が事例相談者に気づきを促すという表現をすることがありますが、
この「気づきを促す」ということについて、
事例指導者の認識のあり方によって大きく異なってきます。
事例指導者の異なる視点を伝えようとすることが、
事例相談者にとってポジティブに働くこともあるかもしれませんが、
それが事例相談者の思考や感情を阻害する場合もあります。
1級の面接試験(ロールプレイ)でも、
事例指導者側がケースの相談者への対応等に固執し過ぎていたり、
事例相談者の問題点を指摘したり、
事例指導者のケースへの見立てを押し通すような問いかけを、
繰り返し説得しているような現象が起こっていることもあるのかもしれません。
事例相談者が
「他にどんなやり方があったのか」
「こんな時、どうすればよかったのか」
と言ったからといって、
事例指導者までその発言だけにとらわれていてはもったいないことになると思います。
また、
(どうすればよかったと思われますか?)
(私は相談者には会っていないので、それは〇〇さんが考えるしかないと思うんです)
などなど…
その言葉を話している事例相談者を理解しようとせず、
事例指導者がその言葉を避けたり巻き込まれているような感じでは、
事例相談者にとっての事例指導にはならないと思います。
実践訓練等においても同じく、
事例指導者側の経験や価値観などから生まれてくる常識的なことや成功体験、
事例指導者が考え付く相談者への適切な対応法などを、
何かしら根拠づけ、事例相談者に前のめりに説いている場面を見かけることがあります。
事例指導者の考え方等が必ずしも事例相談者に当てはまるわけではありません。
仮に事例指導者がいくら適切な答えをもっていたとしても、
事例相談者にとっては事例指導者のそこから発せられる言葉や思いに対して豊かな解釈ができなくなることがあります。
その根底にながれているものをわかろうとすることは、
少なくともキャリアコンサルタントとしての事例相談者を理解しようとする態度が事例指導者に一貫してあることが必要だと考えます。
事例指導者自身が事例相談者から真に学ぶ態度を備えていること、
それがあって目の前の事例相談者を大切にした謙虚な問いかけにもつながるのだと考えます。
キャリア形成支援者への育成的なかかわりは、
答えらしきものに気づかせることや面談方法等を提供するよりも、
事例相談者が自分らしい支援のあり方とその答えを見出せる支援が事例指導者の役割として求められているのだと思います。
それが「気づきを促す」ということにもなるのでしょう。
同じ「気づきを促す」という表現でも、
その捉え方によってその意味の起点が異なっているということを興味深く感じます。
事例相談者に対して
(あなたのここが問題だ)
といった場面を面接のどこかで気づかせなければならないと認識している事例指導者。
「自分の課題はここにありそうだ」
と事例相談者の力で考えられる場を提供できる事例指導者。
事例指導者の態度や考えのあり方ひとつで、
事例指導の面接の充実度が相当に異なりそうです。