今年度(2023年度)におけるCVCLAB主催1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験の対策講座受講が昨日で最後という方が3名いらっしゃいました。

なんとなく寂しい感じがするものですが…

なにはともあれ無事に2月の受検を終えられることを心から願っています。

 

例年、事例指導のロールプレイ訓練を観察していると、

ケース内容の指導のようなかかわりをしていることがあります。

 

事例指導でもスーパービジョンでもある程度共通していえることでもあると思うのですが、

事例指導者はケース内容の指導ではなく学習場面の企画者たることが大事だということです。

 

解決に必要な知識や技術が自明でない問題に直面している事例相談者に対して、
その「答え」を事例指導者が提供するわけではありません。

 

事例相談者が自分事として「何かを見出せる」ような側面的サポート、

これが事例指導者の役割ではないかと考えることがあります。

 

決して、

褒めて…承認して…是認して…

ということを過度に行うことでもありません。

 

ただただ、事例相談者が自分のケースから何を感じ、捉え、考え、行動しているのか。

そしてそこで聴いたこと、聴かなかったこと、聴けなかったこと、

わかったこと、わからなかったこと、知りたいことはなんであるのか、

それはどうしてなのか、何を確認できるといいのか、

それは事例相談者が描くキャリア形成支援の何に当たることなのか、

事例相談者自身があらゆる角度から主体的に考えられる場を企画する。

 

事例相談者が自ら真の問題に気づき、

やるべきこと、やりたいことを見出す「実の支援」を実現する。


そのためには、事例指導者は自分が答えを出せないことを自覚する必要があります。

より謙虚な姿勢を選び謙虚に問いかけることが重要です。

 

講座でよく表現するのですが、

事例指導者が喋るのではなく「謙虚に問う」態度を意識したいもの。

 

「謙虚」とは単に低姿勢であるとか…

相手の機嫌を取るための猫撫で声を出すような関わりとは異なります。

 

思いやりを総動員させ、

事例相談者が相談したいことになんとかして役に立てないだろうかと全人格をかける。

専門家としての事例相談者への理解を少しでも深めていくために尽くしていく態度と姿勢が必要だと考えます。

 

事例指導者が自分自身の視点をいかに活かすか…と考えていること自体、

それが邪念にもなるのかもしれません。

それが事例相談者の学習を阻害するのかもしれないのです。

 

事例指導者は内容の指導者ではなく場の企画者たること。

1級合格、心から応援しています!!!