本日も福岡で1級キャリアコンサルティング技能検定試験の対策講座を開催いたします。
今朝の福岡は昨日よりもひんやりした感じですが、
お昼間になると昨日よりもプラスの気温になる予報が出ています。
※最高気温が15℃と予報されています。
真冬の季節の気温ではない水準ですね。
寒暖差が激しい日が続いていますので引き続き体調管理には十分にお気をつけください。
さて、今日のブログ記事では、
1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験における「具体的展開力」について触れてみます。
ひとつの実践的な考えとして書いていますので、
内容にフィットするところがあれば実技試験等への準備の参考にしてみてください。
技能検定試験では面接について、
基本的態度、関係構築力、問題把握力、具体的展開力という評価区分があり、
評価区分ごとに所要点をとれることが1級実技面接試験の主な合格基準になっています。
例えば、具体的展開力という言葉にとらわれ、
一例として、
「事例相談者の問題を解決するために、適切な目標を設定し、効果的な指導を企画することができること。」
このように記載があるので、事例相談者に対して適切な目標を設定し、
効果的な指導を企画することを絶対やらねば合格できないと思い込んでしまうこともあるようです。
面接の後半付近になると事例指導者(受検者)が急にバタバタとしている感じが出ることもあれば、
実際に事例指導者側が焦っているシーンをロールプレイ練習で観察することもあります。
評価区分に記されているからといって、
目の前の事例相談者から離れてしまい、評価区分に重きを置き、
そのような行動を指導者が強引にやろうとすることは事例指導の実践にはなりません。
協議会の技能検定試験ホームページで公開されている「具体的展開力」を改めてみてみましょう。
具体的展開力:
事例相談者の問題を解決するために、適切な目標を設定し、効果的な指導を企画することができること。事例相談者に対して、適切でわかりやすく、理論的・具体的な説明を行うことができること。指導プロセスにおける個々のセッションの中で、事例指導者が企画した指
導方法を効果的に遂行するために、専門的な介入を行うことができること。
このように評価区分で記されていますよね。
どのような事例相談者に対しても、上記評価区分に書かれてあることについて、
100点を取れる事例指導者が存在するのでしょうか。
事例相談者(お相手)の状況がどうであれ、
事例指導者としてこれらを全て網羅しましょうということではないはず。
書かれていることは単に1級評価区分の輪郭を明確にしているだけであり、
そもそも人と人との対話には曖昧さが大切なところも多々あります。
※勿論、曖昧なところを明確にすることが必要なことも大いにあります。
相手の状況、自分の状況等によって、
事例指導の面接自体、全て変わっていくからこそ能動的な学習の場にもなり、
予め計画して成り立つことではないところに豊かさがあるのだと理解しておくことが、
ごく自然に相互における具体的な面接展開となっていくのだと考えます。
また、基本的態度、関係構築力、問題把握力、具体的展開力について、
左から右へ、下から上へ等といった順番、一方向的に進むと考えている場合、
面接フレームワークの認識自体、偏った理解になっているかもしれません。
行きつ戻りつ、または重層的に緩やかに積み重ねていく、感じられていく感じ、
どれもここまでという輪郭のきっちりしたものなどないものです。
指導レベルキャリアコンサルタントとしてのこうした感覚や考え方等は、
ある程度一致したものであることが大事だと考えます。
「何がなんでも目標を立てなければならない」
「〇〇まで進まないと合格できない」
といった一方的な認識を持つ場合、
キャリア形成支援者としても事例指導者としても窮屈で苦しく持続が難しいような取り組みになりかねません。
どこかいつもユーモアを大切にできる、緩やかで真剣な眼差しと感覚をもって、
学びを楽しめることがとても重要なポイントなのだと考えています。
今回一例として挙げた具体的展開力ですが、
他の区分も含め、事例相談者との関係性から生まれてくるものなのだとつくづく感じます。
事例指導者が意図して導くものではないのでしょう。
自分がどこをみて面接をしているのか、
今一度立ち戻って考えてみることも必要なときがあると思います。