キャリア形成支援を考えるひとつの仕組みとしてスーパービジョンや事例指導がありますが、

その意味やあり方等を考えていくとき、気持ちがざわつくというか疑問を抱くことがよくあります。

そしてこれは1級キャリアコンサルティング技能検定試験へ向き合うときの姿勢等にも共通して考えていくことでもあります。

 

日常の職場等での人間関係性においても、友人や知人等との関係においても、

他者を100%尊重したような考え方ができるかというと、

自己評価として満点を出すのは難しいこともあるかもしれません。

 

指導レベルキャリアコンサルタントを生きるとすれば、

対人援助職の基本スタンスとして、それぞれがもつ力を認め、互いの良さを明確にし、

自信を持って支援にあたることができるように他者をサポートする必要があります。

 

私たちは、一人ひとりの人間を尊重し、

その人のもてる力を引き出し、話を傾聴していく訓練を受けている専門家。

個々が抱く感情やその変化、

人間同士の関係性に敏感であることが大事だと教わってきていることでしょう。

 

せめて専門家としての役割を担う場(訓練時も含む)において、

目の前で出会うひと、同士に対して愛情を持つことができ、

そのひとを観察し、傾聴し、確認し、共感していくというわかろうとする態度を保つ。

だからこそカウンセリング・マインドが発揮されるのだと思っています。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定の実技試験自体は、

そうした面も大切に評価されていると思います。

※私個人の見解です。

 

キャリア形成支援のそれ自体、またキャリア形成支援をするひとが学習をするときも含め、

そうした営みには心理的要素が多分に含まれ、

クライエント支援でも、事例指導においても、カウンセリング・アプローチを必要とすることが多いものです。

 

1級の実技対策にかかわっていて時折考えることなのですが、

事例指導のロールプレイ等を観察していると特に「確認」のかかわりが弱かったり、

「確認」自体をスルーしている場面に出会うことがあります。

 

これではお相手との関係性にネガティブな影響を及ぼすと考えます。

 

「確認」ができていないから相互の認識における仕立て直しの機会が得られず、

テーラーリング的な作用が生まれずに関係性が崩れていく感じです。

 

事例相談者に対して必要な場面できちんと「確認」することは、

事例相談者にとっての自己の適切な振り返り場面を創造していくことにつながります。

 

これも基本的なカウンセリング・マインドであり、

事例指導においても重要なポイントのひとつになり得ると考えます。

 

「確認」の過程はカウンセリング・マインドでの重要な要点でもあり、

日頃から意識していくことがセルフ・トレーニングにつながると思います。

こうしたスキルは1級キャリアコンサルティング技能検定面接試験でも表出しやすいところかと思います。