今夜はオンライン(Zoom)で1級キャリアコンサルティング技能検定試験の
対策講座を開催いたします。
平日の夜に120分間の学びの場をもつということは大変なことだと思います。
試験も近づいていますので、体調管理等には十分に気をつけながら、
今できることはご一緒にしっかりやっていきましょう!!!
今夜、オンラインを通してお会いできる方、どうぞよろしくお願いいたします。
※明日は同じ時間帯でJCC主催の事例指導講座がございます。
さて、昨日の記事に続いて、
今回からの内容ではひとつずつ具体的なことに触れてみたいと思います。
1級キャリアコンサルティング技能検定の論述試験出題形式が変更になることについて、
昨日の記事にはひとつの視点で受検者の方へメッセージを発しています。
論述試験問題で、どのような設問が出題されるかということは、
事例指導を実践的に考えてみれば考えなくてもよいことです。
事例相談者を目の前にして事例指導者が設問を考えることなどありません。
というべきか、
事例相談者に向き合い集中していれば、
極自然的・自動的に事例指導の面接に必要な設問が浮かび上がってくるともいえます。
それは面接フレームのプロセス通りに順番に進めていくわけではなく、
並列的な工程とも表現されるように、行き来しながらも、
じわじわとわかってくることも多く、その感覚を大事にしておきたいものです。
論述だからといって、ロジカルに評価的思考で論駁するような感覚でいくと、
事例指導者の一方的な時期尚早の粗い解釈になるのです。
こうした現象を少しでも避けていくには、
事例相談者を理解していくための諸準備が必要かもしれません。
それは先ず事例(ケース)を概ね掴んでいくという作業を行なってみるといいかもしれません。
一例として、
事例(ケース)を掴むという考え方ですが、
論述試験の問いがどんな問いであるかなど気にせず、
事例(ケース)を読んでみて、
そこに登場している相談者(クライエント)の状況や取り巻く環境を理解するという作業をしてみます。
ひと先ず、勝手にあれこれ広げないで記述されていることから状況を掴むのです。
そしてこの作業は書いてあることが中心なのでなるべく短時間でやれるようにするといいですね。
その上で、この相談者が置かれている状況の中で、
相談者に必要なキャリア支援とはどんなことができるのか、どこまで介入できそうか、
事例指導者なりにそうした見立てを整理してみます。
これは事例相談者がもってきた事例を掴むための「入り口」にもなり、
事例指導者として自分の中でだけでは決めつけず、
そしてこだわらずに、先ず仮説として自身の内側に留めておきます。
この段階を踏むだけで、事例相談者が相談者へやろうとしたこと、やったこと、
その支援の全体がある程度見えてくるのです。
このくらいのところまでくると、事例指導者もだいぶ冷静になれますし、
事例がある程度わかるので事例相談者の立場に立って考えていく余裕が出てくるものです。
※論述試験の中でも楽になってくると思います。
注意したいところですが、上記の作業過程の中で、事例指導者が先走って、
《あぁ…ここ!聴けてないんだよなぁ、だから相談者と関係が崩れてるんだよな》
《事例相談者が自分の枠組みで評価して発言をしているからダメなんだよ》
といった指導者側の「ありがちアセスメント」をしないように気をつけて欲しいと思います。
ここで書いていることは、
あくまでも事例相談者の事例(ケース)を掴む「概念化する」ための『準備』なのです。
事例指導者の時期尚早な勝手な解釈は事例指導で役に立ちません。
物事にはきちんと輪を描いたような連動的・連鎖的なステップがあり、
それもカチッと切り分けられるようなものではありません。
論述事例でも事例の要点を端折って試験問題の設問にいってしまうことは、
大事なものを見失う可能性が高いと思います。
事例指導を実践的に考えてみれば、
準備段階として預かった事例を掴むことは大切な準備にもなるでしょう。
それは事例検討を行うためではなく「事例指導」を行うために重要です。
事例指導者としてここを意識できると、事例相談者にとって必要な時、
そこに必要な質問を投げかけていくことにも繋がります。
次回は、事例相談者の行動等からその意図を理解していくことについて書いてみます。