今日から11月がスタートしました。今年もあと2ヶ月。
年末年始を気持ちよく迎えられるよう、できるかぎり元気に過ごしていきたいですね。
一昨日の夜、横浜から福岡の自宅に帰ったばかりなのですが、
今朝から都内の企業様との打ち合わせ、そして研修等のお仕事で再び東京入りです…汗
移動と立ち仕事、デスクワークがヘビーローテーションのように繰り返すと、
年齢のせいか、流石に腰や背中、肩に違和感を感じている今日この頃です。
健康を保とうと日焼けするほど日々外を歩いて移動しているのですが、
重い荷物を持って長く歩くこと自体があまりよくないようで…
体が歪んでいるようです(苦笑)
読者の皆様も体調管理には気をつけてお過ごしください。
昨夜はオンラインで1級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験対策講座を開催いたしました。
限られた時間の中で受講者様同士によるロールプレイとフィードバックの実践を中心に体験いただいております。
一度きりの貴重な事例指導セッションがどのように展開されていくのか、
これは事例指導者と事例相談者の当事者同士にも未知の世界です。
その場でのお互いの心理が強くダイナミックに影響していきますよね。
面接を
「このように進めよう」「こうできたらいいな」
と事例指導者が考えをもっていても、その通りにはならないもの。
あまり余計なことを考え過ぎず、
事例相談者に集中して向き合っていくことがなにより信頼につながります。
さて、
事例指導の実践、および1級キャリアコンサルティング技能検定の実技論述試験や面接試験においても、
事例相談者がなにかしらの目的をもってきているからには目標設定が大切です。
※事例相談者の考え次第等で後になって目標が変わっていってもOKだと思います。
目的というと割と抽象的ですが、
目標といえば目的に近づくため、また目的を実現するためにも、
目標を可能な限り明確なものにしたいところです。
その目標の表現について、例えば、
「クライエントの感情が出ている言葉の背景を汲み取ることができるようになる」
といったようなしっくりとこない漠然とした感じの目標表現では、
事例指導者が一方的に望んでいるキャリアコンサルタントに求めるあり方になってしまいそうです。
事例指導者側の指導プランニングの表現だとしても、
他キャリアコンサルタント、誰にでも当てはまるような成長目標表現になっていると今ひとつかもしれません。
こうしたところでパターン化したような書き方等にならないように注意したいところです。
事例相談者が事例指導を受けにきたその目的に立ち、
事例相談者が気になっているところにつながりのあることを優先にした成長目標がよいと考えます。
仮に、前述したように、
事例指導者からみて事例相談者の弱いところが
「感情の付随した言葉の背景を汲み取ることができていない」
と見立てたとします。
かといって目標を
「汲み取ることができるようになる」としたら、
なんだかあまりにも短絡的過ぎると思いますし、
事例相談者からしてみると、
これを提案されてもなにかモヤモヤしそうです。
あくまで一例ですが、
この事例相談者はクライエントの感情表現を記録に拾って(記述して)いる。
感情を拾いながらも事例相談者自身の論理的、合理的な考えが先立ち、
それがクライエント支援になると認識し、行動(応答・対処)していることがあります。
クライエントの問題をなんとかしたいと思っているからこそ、
自分が持つ視点に気づかせたい、納得させたい、と思っていることは多いものです。
この記事のケースの場合、下記のような表現もできるかもしれません。
『感情が表れているところで自己(事例相談者)の認識を一旦留め、
クライエントが抱く思いや意味合いを深める応答を目指す。』
「クライエントを純粋に照らすかかわり」と表現できるかもしれません。
このような対応ができることで、
クライエントの内面にある複雑な感情情報をより深くキャッチできるようにもなると思います。
改めて事例相談者がこの事例で気になっているところを読み返してみた時、
「辛い気持ちに寄り添い事情は概ね話してもらえたと思う。リスクを考えて会社や家族に相談することを提案した。しかしなぜ来談がないのかわからない。」
というような振り返りや所感が記載されていたとしましょう。
※仮に振り返りや所感が記録されていない場合でも、
来談経緯等の対話のやり取り等から、
事例相談者のやろうとしていること、
その支援方針のこだわりのようなものは読み取れると思います。
上記でいえば、この事例相談者は、
気持ちに寄り添って聴けたと思っており、
その後、自己の評価・判断をクライエントに提示しています。
重要なのは、
事例相談者がキャリアコンサルタントとしてリスクを考え、
周囲に相談した方がいいと判断したことで、
これを事例指導者から指摘することはナンセンスかもしれません。
提案したこと自体を指摘してしまっては事例相談者の立場がなくなるでしょう。
筆者がより大切に考えることは、
この事例相談者が気持ちに寄り添って聴けたとする自己評価です。
事例相談者としてそこは「できた」と考えているわけですね。
ある意味この面談で一番の自信でもあるでしょう。
なのに、結果としてクライエントとの面談約束が実現されず
「はて?なんでだろう…なんかおかしいぞ」となっているわけですね。
実は事例相談者にとってのこだわりどころではないでしょうか。
どんなことでもできていないと指摘したり評価することは簡単ですが、
できていると思っているからこそ、その自信が昇華され自尊心へと変化できることが、
事例相談者の成長となるでしょうし、
また、それは事例指導者にとっても学習機会に変わるのです。
目標の設定は難しいのですが、
読者の方にとって今回の記事内容から何かしらの気づきに繋がれば幸いです。