昨夜は日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)主催のオンライン特別講座
「1級キャリアコンサルティング技能士による事例指導講座」を実施いたしました。
ご参加いただいた方には心より感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。
講座では1級技能検定実技論述試験を意識し、
前編および後編の2回(2日間)に分けたプログラムで、
昨夜は前編の問題把握までを受講者の方とご一緒に考えました。
次回は事例相談者の成長を目的とした事例指導の目標設定、
およびその達成方法や内容、
そしてコーディネートについて考えていく内容になります。
昨日から2週間後の25日夜に後編を実施いたしますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
なお、
後編プログラムからのご参加でも大歓迎ですので、
興味関心のある方はご都合がよろしければこの機会にご検討願います。
※詳細は下記URLでご確認ください。
https://npo-jcc.org/product/seminar-23pc13/
さて、今回の記事では、
論述問題から事例相談者の問題をとらえる過程をひとつの考えとして記事にしてみたいと思います。
昨夜も話題にしているのですが、
事例相談者は相談者との面談によって多くの刺激等を感じ取っています。
その印象に強かったものを記録に描いていくでしょう。
※勿論、忘れていることも多々あると思いますが…。
事例指導者はその内容を聞いて(読んで)、
(事例相談者のこのあたりができてないかな…)
(ここに問題がありそうだ)
といった感じに事例相談者の不出来なところにどうしても注意が向き、
それを扱いたくなることが多くあるように思います。
これではカウンセラーとクライエントのうまくいっていないようなケースと同じ構造にもなるかもしれません。
そもそも、
弱いところを克服させようとするかかわりよりも、
よいところ、できるところを伸ばすというストレングスモデル的な発想があってもよいと思います。
いや…実技であればなおさら、
その方が圧倒的に効果的な成長支援になることも多いものです。
それは記述式だろうと対面式だろうと同じですね。
特に、
多くの指導者は自身が正しいと信じている方向に、
なんの疑いもなく注意を向け、
他者をそこへ導いていこうとする傾向があります。
事例相談者がなぜ相談者に対しそうした対応をしているのか、
その背景を汲み取りながら今一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょう。
事例相談者は相談者から一大事なる相談、
その話しの難しさを受けているのです。
難しさを抱えている事例相談者に対し、
事例指導者までもが難しくさせてしまっては、
事例相談者にとってはバブル・トリプルパンチを受けるようなものです。
事例指導者の立場にある方には、
事例相談者が抱えている問題を考えるときには、
目の前の事例相談者の立場を理解し、
その難しさを味わっていくことも大事なのでしょう。
すると幾分か、
キャリア形成支援者としての事例相談者が理解できるところも増えて、
専門家としての事例相談者の成長ポイントが浮かび上がってくるものです。
仮に事例指導者が評価する標準的な視点が如何に適切だったとしても、
事例相談者にとって受け入れられないものでは何にもなりません。
事例相談者の相談者支援方針を先ず大切にして、
その支援方針が相談者の役に立つためにはどうすればよさそうか、
そのために事例相談者自身が伸ばせるところを共有できることの方が事例相談者の成長支援になると思います。
その点が言い換えれば問題点でもあり、
ポジティブに転換していけば課題設定につながるわけです。
最大のポイントは事例相談者が気にしていること、
こだわっているところを大切にしていくことだと考えるのです。
前回も記しましたが、
事例を読んで単に事例相談者の不出来なところを列挙するだけであれば、
指導レベルキャリアコンサルタントでなくてもできることだと考えます。
事例指導とはなにをおこなうことなのか、
実技として今一度考えてみることで、
単に正しそうな方法や考え方を教示していくことではないということがわかるかと思います。
「指導」というワードが勘違いをおこしてしまうのかもしれませんが、
「指導」にも色んな場面や立場等によって考え方は色々です。
キャリア形成支援者同士による事例指導というものがなんであるのか、
事例指導をおこなう人がそれぞれにその哲学をもつ必要があると思います。
そうした下地が1級論述試験でも面接試験でも、
また現場実践においても役立つのだと考えています。