昨日アップされた情報について様々な受け止め方があるかと思います。
論述試験問題の変化を想定したことがなく、
過去問の各問に対しどのように解答を書くかなど、文章表現方法等にとらわれている場合、
諸変化に対応し難くなることがあるかもしれません。
事例指導の実技として本質的なところを検討することは、
一見遠回りのような考え方に感じることもあるかもしれませんが、
その認知過程を経て連続的に思考を巡らせていくことが自身の適応力や対処力を発揮することにもつながるのだと思います。
今回の出題形式の変更は、
専門家の先生方が必要性をこれまで考え続けて現実化されたものだと想像します。
着想的な発想で試験出題形式の変更を決められることではないはずです。
これまで論述において、
「これで合格基準が取れた」「こう書かないとダメ」「こう書けば合格できる」
といった、ともすれば正解のあり方みたいなメッセージや考え等も時折聞かれました。
心理学的知見を土台にした資格試験に対し、その意義や敬意を大切にしたいものです。
キャリア形成支援実践家同士による事例指導について日頃から考え、
また実行しようと四苦八苦しながら学び続ける。
常に諸角度からみて支援に工夫を凝らし自問自答し続けている専門家にとって、
今回の試験の形式変更が有意義なものになるといいなと思っています。
自分たちの力で、業界全体の現場実践力向上にひとつでも多くつなげていくことが大事なことだと感じました。
試験問題の変化のことをあれこれ考えるよりも、
何はともあれ実際の事例指導実践を考えることが一番の実技試験対策になるでしょう。
試験問題自体を見つめるのではなく、
事例記録をまとめた事例相談者に先ず集中してみていく(読んでいく)ことが全てです。
キャリアコンサルタント同士での事例指導という営みで何が大事なところなのか、
基本に忠実なあり方で備えれば大丈夫だと考えます。
事例指導の重要なポイントのひとつとして、
事例をまとめている事例相談者が相談者をどのように捉えているのか、
どのような支援方針をもっているのか、
こうしたところが先ず事例を掴む上で必要になります。
事例記録の中の相談者の問題を記述情報だけから直接的に考えることではなく、
事例指導の実技として目の前に存在する事例相談者を通し、
記述情報を生きた感覚で捉えていくことが立体化に近づけます。
こうした事例の掴み方が論述試験でも役立つので、
事例指導の基本的な面接フレームを描きながら、一つひとつの事柄だけに終わらせないで、
その背景等を汲み取るトレーニングを重ねることをお勧めしたいです。
書いてあることだけにとらわれると目の前の課題しか見えません。
1級は2級とは実践・実技でやっていることが異なりますので、
事例指導の構造を振り返ってみると、より興味深くなるのではないかと考えます。
私の講座ではこうしたことも皆様とご一緒にあれこれ考えてみたいと思います。