本日も横浜で1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を開催いたします。
ご予約をいただいている方は会場までご足労をお掛けいたしますが、
どうぞよろしくお願いいたします。
皆様にお会いできることを心から楽しみにしております。
さて、昨日の講座前半では2つのグループに分かれ、
ひとつの事例を使って論述について受講者の皆様と色々考えてみました。
興味深いこととして、
例えば「問題」となるものを問われ、
その対象に対し否定型で表現するか、肯定型で表現するか、
こうした類のお話しがありました。
これは昨日の横浜会場に限らず、福岡会場でも大阪会場でも、
また毎年恒例のように話題にあがることです。
それだけ関心の高いテーマなのだと改めて考えます。
そしてこれに関連することは幾度かこのブログでも取り上げてきています。
読者の皆様は
「問題は何か」「どのような問題を抱えているか」
と問われた際、
その対象の問題と考えるものをどのように表現されますか。
一例として、
「〇〇ができていない」
「〇〇が不足している」
「〇〇が弱い」
このようなことを表現し、
よって
「関係構築ができてない」
「問題把握ができてない」
「目標共有ができてない」
等と結論付けていく書き方があるとします。
筆者の考えを少し記事にいたしますので、
関心のある方は人間観や人間関係性に関連する書籍を読んだり、
そうした情報等を集めながら考えてみると、より視野が広がることがあると思います。
まず、問題を把握していくその目的によっても、
伝える表現のあり方を考えてみる必要があると思います。
人と人との関係性や対話を大事にしていくような場面では、
肯定的な表現の方が明らかに人のやる気等をあげていくのに効果的だと考えます。
勿論、問題から目を背けるということではなく、
問題を課題に変換させていくようなイメージでしょうか。
論述試験も実技として「事例相談者が事例指導を受けるためにまとめた事例」を使い、
事例相談者と事例指導面接を行うようなイメージが必要です。
「問題」という言葉の意味を「ダメなところ」と解釈する場合、
否定型での表現が自動的に増えるかもしれませんよね。
そういう指導者から指導を受けたいと思う人は珍しいかもしれません。
そもそも問題と捉えた現象を羅列するより、
その背後にある根本的な状況を理解していくことの方が重要だと思うのです。
問題の背後にあると考える深層の要因、関連する要素を考慮して取り組むことが、
事例相談者にとっての成長にも繋がります。
事例指導というセッションは事例をまとめてきた事例相談者が主体。
論述試験が実技であるということからも、
単に表面的な問題点をあげるに終始しないように工夫をしたいものです。
キャリアコンサルタント関連の論述試験では、
否定型の表現で合格しているケースもあります。
これは試験の盲点なのかも…と勝手に考えています。
要するに、
合格点を取るためにはこうすればいい(こう書けばいい)…
という具合に、逆算型で試験に臨むこともあるのではないかと想像してしまいます。
※筆者の感じ方です。
一般の記述式テストなどの試験対策法として、わりとありふれた考え方に、
あるキーワードが入っていれば点が取れるとか…
要所要所で関連する指摘を入れることで点が取れるとか…
こういう文脈が入っていれば何点だとか…
もしこのようなテストであれば、
チャットGPTでも導ける解答かもしれませんよね…苦笑
一方、人を尊重した実践的な表現をされている方が毎年高い評価で合格されていますので、
こうした結果を踏まえると、試験に対し信頼度等を含めて安堵感を覚えることもあります。
論述を評価する人はロボットではなく、
諸々の心理学的知見等から採点をされている先生方であり、
厳正な評価作業を経て試験水準が保たれているのだと認識しています。
他者へのキャリア形成支援者(対人援助職)としての質的・実践力向上を目指す場合、
1級受検準備と同時的に本質的かつ実質的な学びを重ねていきたいものです。