昨日まで大阪で対策講座を開催してまいりました。

ご予約いただいた方全員とお会いすることができとても嬉しく思っています。

 

お忙しいところ、遠方から大阪までお越しいただいた方もいらっしゃいました。

「来てよかったです」

と一言おっしゃっていただけたことが感謝です。

 

お昼間はまだまだ危険な暑さが続いていますが、

朝晩になると少し秋の気配を感じることもある今日この頃。

 

例年この時期から12月の試験本番まで、

本当にあっという間に過ぎていく感じがします。

一日一日一つひとつ丁寧に学びを積み重ねていきましょう!

 

さて、前回に引き続き、

1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述過去問を使って

事例指導の実践・実技を検討してみます。

今回は選択問題の問2について記事にしますので、

読者の皆さまもご一緒に考えてみてください。

 

問2 この事例相談者が抱えている問題に対して優先して取り組むべき目標は何か。また、その目標を達成するために、効果的な支援を行う方法や内容について具体的に記述せよ。

 

選択過去問の問2で出題されている質問です。

 

ここで「優先して」という言葉に戸惑ってしまったり、

「具体的に」という言葉に疑問等を抱くことがあるかもしれません。

 

人それぞれ様々な解釈の仕方があってもいいのだと思います。

 

なにはともあれ、事例指導者(受検者)の事例相談者へのかかわりが、

事例相談者のキャリアコンサルタントとしての成長に一つでもつながれば、

問題の解釈の仕方など然程気にしなくてもいいのではないかと思います。

※雑な表現で失礼します…汗

 

ただし、例えば問1の解答について、

事例指導者(受検者)視点のみで問題内容を列挙(記述)したとします。

 

よくある解答の傾向では、

・事例相談者が、自分の価値観や枠組みでアドバイスをしていることが問題

・相談者の気持ちを全然深めていない、言葉の意味を深掘りしていないことが問題

・事例相談者の視点が優位に立っていて相談者が自由に発言できていないことが問題

・相談者の動機が不十分なまま事例相談者のペースで提案していることが問題

・相談者の内的ステップと事例相談者の面談のペースがズレてしまっていることが問題

等々。

 

綺麗事のような表現、

なんでも当てはまるような表現で、

そこから抜け出せないまま、どの事例にでも同じ類の解答を記述してしまう…。

 

自己理解、仕事理解不足、コミュニケーション不足、思い込み、決めつけ、視野狭窄、プラン不足…

ここらに気づかせる働きかけが足りない等。

 

画一的でパターン化した問1での問題指摘を事例指導者視点で複数している場合、

問2の解釈の仕方が、問1で問題を挙げた中からどれを優先しようか…というように、

事例指導者の勝手な見方で目標設定をすることになりそうです。

 

これでは事例指導の実践が成り立ちません。

 

確かに事例相談者が抱えている問題はひとつとは限りませんが、

概ね、本質的な問題というものはどこから触れていっても繋がりがあるものです。

 

つまり、優先順位が高いポイントは、

事例指導面接の主体である事例相談者自身が気になっているところが要点になるはず。

※あくまで事例相談者に焦点化していれば…。

 

その要点を事例指導者視点でも異なる角度から共にみてみる、

共に多面的にみてみることで、

事例相談者の自らの気づきに繋がることになると思います。

 

問1で、事例相談者視点と事例指導者視点を表現できる場合、

目の前に事例相談に来ている人(事例相談者)の視点を大切にした実技ができます。

 

問1で事例指導者が「あなたの考え」として自己の視点しか浮かばない状態というのは、

事例相談者との問題共有に関して相互での作用を意識していないことにもなりそうです。

 

相互の視点が相まって問題把握が成立することを体験する必要があると思います。

 

実技としてそれが大事だとわかっている場合、

問1で両者の視点を表現でき、

そして問2では優先目標の設定が、事例相談者を置き去りにしない表現となり、

また、効果的な方法や内容がより具体的に考えられるのではないかと思います。

 

事例指導者が事例相談者の成長プランを立てる時も、

事例相談者を中心にした考え方が必要であることを実践を通じて体験していくと、

こうしたことが面接同様に自動的に考えられるようにもなります。

 

事例指導をどこで受けたらいいのかわからない時は、

一例として、

筑波大学がエクステンションプログラムで提供している

「キャリア支援者のビジョン構築プログラム」の中で、

1級技能士との面接が3回できるようになっています。

※あくまで一例です。

 

事例指導の面接を体験することも「事例指導を知る」一つの方法かもしれませんね。

 

このブログでもあれこれと考えを記しますので、

皆様も様々な方の考え等に触れ、ご自身にフィットするものを取り入れてみてください。