先月から私の講座に取り入れているワークに
『状況の理解』があります。
状況の理解といってもいろんな解釈があると思いますが、
講座の中では呼水的な働きかけを行なった後、
グループで自由に検討いただく時間をつくっています。
これは、ある先生から助言をいただき実践していることにもなるのですが、
今回、記事にすることはその『状況の理解』にもつながるお話しなので書いてみようと思いました。
私たちはともすれば、
(この事例相談者は相談者の気持ちに共感できていない)
などと他者を評価をすることがあります。
(もっとここで気持ちを理解しなきゃダメだよ)
というニュアンスのことを示すこともあるでしょう。
このようなことを事例相談者に対して言うこと自体、
共感するということを形式化していたり、
また、
強制的に求めていることになってしまっていたり…。
これでは事例相談者の成長を阻害していることにもなるかもしれません。
そもそもキャリアコンサルタントがクライエント支援に向き合うとき、
『共感しなければならない』
わけではありません。
そのようなことを強いてしまえば、
キャリアコンサルタントは全員、クライエントに対して、
「お辛いのですね」「悲しいのですね」などと上っ面だけの言葉を投げかけてしまうリスクが生じます。
このようなことをキャリアコンサルタントにさせてはいけません。
これではクライエントを傷つけたり困惑させてしまったり、
また更に孤独へと追いやってしまったりもするかもしれません。
頭で「辛いのか」と理解して「お辛いのですね」と発したところで、
それは共感などではありません。
初学者として学んできたことを実践的に発展させないまま、
仮に「もっと共感しようよ」などと言っているとすれば、
それは指導レベルキャリアコンサルタントが基礎を教えているというよりは、
むしろ事例相談者の理解を歪ませてしまう恐れもあります。
共感はしようとしてできるものではないといえます。
共感しなければ…
と強迫めいた感覚を持たせるくらいならば、
上記の通り、
クライエントが悩んでいる状況等を把握していくことに注力してみてはいかがでしょう。
そのような過程と体験を通し、相手にとって、
「共感してもらえている」
とごく自然体で安心が生まれてくるような実践感覚を得られるのだと思います。
こうしたことは事例指導者が実践として理解できていることが必要だと思います。
そうでないと、
単なる事例相談者の粗探しが始まり、
結局のところ、
「気持ちが聞けてないよね…」
と相手を評価してしまうのです。
なんでもその評価になることでしょう。
これは自分が一番共感ということをわかっていないのかもしれないと、
一度立ち止まってみると自身のさらなる成長にもつながるのかもしれませんね。
というわけで、
これは先日私が先生から教えていただいたことです…汗
なかなか難しいものです。