このブログの読者様の中で、

昨日、そして本日のオンライン講座説明会にご参加の方がいらっしゃるとお聞きしています。

ブログを通してご縁ができることを嬉しく思っています。

どうもありがとうございます。

 

昨夜、日本キャリア・カウンセリング研究会様(JCC様)主催による

『1級キャリアコンサルティング技能士による事例指導講座2023』説明会を開催し、

定員数30名を超える予約者の方、ほぼ予定通りご参加いただきました。

貴重なお時間をいただき重ねて御礼申し上げます。

 

今夜も同じ時間帯でオンライン説明会を実施いたします。

この2回の説明会では参加される方が各日異なることから、

昨夜と異なった雰囲気が生まれ違う発見等があるかもしれません。

 

現状、本日もほぼ満席に近いご予約をいただき説明会のお申し込み期日が過ぎたことから、

JCC様のホームページ上からのご予約は締切になっているようです。

 

直前にはなりますが、

まだお申し込みをされていない方で今夜の説明会への参加をご希望いただける際は、

JCC様の講座企画ご担当の方へご相談されてみてください。

※昨夜の説明会に参加いただいた方(2回目の参加)も大歓迎です!!

 

事務局のご担当の方曰く「諸々柔軟にご対応いたします」とおっしゃってくださいました。

※JCC企画担当者様の連絡先は以下サイトからご確認いただけます。

https://npo-jcc.org/product/orientation-23pc12/

 

皆様とお会いできることを心より楽しみにしています。

 

さて今回は、

第12回1級キャリアコンサルティング技能検定実技(論述)試験の事例2【選択問題(企業分野)】を活用し、

問3にあたるこの事例相談者が相談者を支援するために「必要なネットワークや環境」への働きかけについて考えていきます。

 

これまで問1と問2を考えてきた過程において、

この事例相談者のキャリアコンサルタントとしての方針やその傾向等、

少しつかめた感じもあります。

 

ジャッジメント的な見方ではなく、

事例相談者の立場を尊重しつつ、専門家としての成長課題を共に検討し、

この事例相談者自身が自分らしい乗り換え方を見出せるように側面的支援をすることが、

事例指導のあり方のポイントにもなるように考えます。

 

選択問題の問3でもそうした事例指導者の態度や姿勢は必須だと思います。

 

相談者Bから

「ここ数年間様々な事態が起こったことで、モチベーションが下がってきたと感じている」

「この業界は景気に左右されますし感染も完全に収束したわけではないので、

これからもこうやって振り回されるかもしれないと思うと、何だか疲れてきまして…」

「このまま会社に残っても先は見えています。

もう私も50歳を超えましたし、定年後のことも考えた方がいいのかなと…」

とこの事例相談者は話を聞いているようです。

 

事例相談者はそうしたネガテイブな側面にフラグを立てキャリア形成支援者として、

 

今の仕事や会社へのコミットメントが低くなってしまった感じ

目の前の不安や疲労感等から後先を考えることができなくなってしまっている感じ

自己能力を過小評価してしまっている感じ

 

こうしたところを捉え、

 

早まった決断をして欲しくない

もっと自分のやってきたことに価値づけをしてほしい

今後のプランをしっかりと考えてみてほしい

 

こんな気持ちが相談者Bへの関わり方の記録から伝わってきますよね。

そうしたところに注目をしている事例相談者の記録となります。

 

興味深いことに、

「もともと旅行が好き」

「旅行業ひと筋でやってきた」

「近所の割といい場所に小さな空き店舗があって、家族ともども昔からパンが好き」

「食パン専門店でもやってみようかな」

という相談者Bの発言を記録にしながらも、

その発言を相談者B自身と一緒に味わうシーンは描かれていないようです。

 

一例ですが、

「近所の割といい場所に小さな空き店舗」

という発言には、相談者Bが日々の生活場面において、

度々何かを考えながらその物件の前を行き来したことでしょう。

出勤時なのか、仕事に疲れながらの帰宅途中なのか、

休日のほっとしたときなのか、

様々な生活の場面で相談者Bが感じてきたことがあるのかもしれません。

 

「家族ともども昔からパンが好き」「食パン専門店」

ここに相談者Bがこれからの生活スタイルが映し出されていることもあるかもしれません。

 

つまりこの事例記録からはそうしたことが何もわからないわけです。

 

サンドイッチ世代とも呼ばれる中高年者が抱く葛藤。

仕事と家庭を含めた個人生活との調和。

 

コロナ禍をきっかえに様々なことがそれぞれの立場において、

個別的・本質的な問題として顔を覗かせていることも多々あります。

 

中年期世代におけるキャリア発達について、

どのような問題が生じやすいのか、

そうしたことの学びを深めていくことができるネットワークを構築することにより、

この事例相談者が抱く(何がいけなかったのかわからない)という疑問が、

少しでも解けていく可能性もあります。

 

またそうした学びは、

この事例相談者にとって、今後の中年期世代への支援に役立つだけではなく、

目の前の相談者が持つ資源や能力を活用したり、

新たな資源を提供する発想を持つ関わりができるようになります。

 

ネットワークで得た能力や知見を土台にして、

枠組みを広げた環境への働きかけができるようになると、

この事例相談者が気にしていた

(コロナ禍の影響をきっかけに相談に訪れるケース)

についての対応力も向上することが期待できます。

 

(コロナ禍)という現象に支援の視点がやや影響を受けていることもあります。

 

ある意味、自身が抱く特別感を脇に置き、

まず相談者に注意を集中することで、

事例相談者自身が相談者から多くの気づきを得ることができるのだと思います。

 

多面的な視点から事例相談者の内側に起きていることを整理してみてください。

 

この事例相談者が相談者を支援するために必要なネットワークや環境について、

指導プランにして見えてくるものがあるかと思います。