今日から6月がスタートしましたね!
6月が始まると、
《梅雨入りしてうっとうしい》《蒸し暑くて嫌》
といった表現をすることもあるかもしれません。
この時期は多くのご家庭で、
エアコンのスイッチを入れたままになるところもあるのではないでしょうか。
エアコンクリーニングに関する話題やエアコン専門業者様のCMがテレビ等で取り上げられる時期でもあります。
我が家では、今年の6月は一番年齢の若いワンコの誕生月です。
なのでこれから6月は嬉しい月。
「すず」ちゃんという名前です。
女の子で6月で1歳を迎えます。
我が家にやってきたときは巨大食道症と診断されて一時はとても大変だったのですが、
奇跡が起き、なぜか完治しました。
獣医師も現代の医学ではその理由がわからないとのこと。
生きる力は神秘です。
なにはともあれ、
世の中、何が起きるか本当にわからないものです。
うちに来てくれて、そして元気に育ってくれて、
どうもありがとう☆
さて、本題です。
第12回1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述事例2【選択問題(企業分野)】を活用して、
この事例相談者が抱えている問題は何かをひとつの考え方で書いてみたいと思います。
前回の記事にもいたしましたが、
この事例相談者は相談者Bのお話しを聞いて以下のように記録にまとめています。
コロナ禍で需要が激減したことで、
別事業での売上げを確保すべく一昨年に自治体のワクチン接種会場の運営を受託。
昨年の3月までは相談者Bもその受託業務を担当させられた。
今は少しずつ旅行の需要も増えたことから、本来の仕事に戻って、今秋は「全国旅行支援」の対応で追われる日が続き大変だったが何とか乗り切った。
需要が回復してよかったと思う反面、ここ数年様々な事態が起こったことで、モチベーションが下がってきたと感じている。
「これからもこうやって振り回されるかもしれない」
「何だか疲れてきまして…」
「転職も考えてみた」
「これまで仕事ひと筋でやってきたので他の業界で使えるようなノウハウや知識は持ち合わせていない」
「私は課長ですが部下もいない」
「同期と比べて昇進も遅い、アピールできることもない」
こうした相談者Bの状態を、
この事例相談者は記録にとらえています。
事例相談者がキャリア形成支援者として、
相談者Bのこのような状態をどのようにアセスメントしているのか、
こうした思考の過程を大切にして、
そのうえで事例相談者が抱えている問題は何かを考えていくことが事例指導の実際では重要だと思います。
目の前の相談者Bの状態を受け、
事例相談者の中でどんなことが起こっているのか、
事例記録を読むことでこの事例相談者の理解に近づくことができます。
33年目のキャリアを持つ相談者Bが未曾有の出来事に振り回され、
色々大変だったがなんとか乗り切ったものの、
今後を考えるとモチベーションが下がってきたと自己認識している相談者B。
この事例相談者は面談時の「職務の棚卸し」提案自体に
(あまり納得のいく様子ではなく、次の面談はキャンセルされた)
と評価している様子です。
そのように事例相談者が考えたのはどうしてでしょうか。
紙面にある記録情報から考えられることは限られていますが、
(様々な可能性についてじっくり考えてみませんか)
という提案をしている事例相談者からは、
相談者Bに早まった決断をしてほしくない気持ちが伝わってきますよね。
一方、肝心の相談者Bは、
「起業するのもよいかと思いました。」
「ちょっとお伝えするのは恥ずかしいのですが、近所の割といい場所に小さな空き店舗があって食パン専門店でもやってみようかなと思ったりもしています。」
と発言しているようですので、
この記録を読む限り、
起業についてそれほど意思が固まっている様子でもないという見方もできます。
こうしたやり取りの中で、
この事例相談者の面談の傾向が少しあらわれているようにも感じます。
「そうですかねぇ、勢いも大事だと思うのですが…。」
という【面談経過】の最後に事例相談者が記した相談者Bの発言記録。
こんなところにも事例相談者なりの事例指導者に報告したい何かを感じます。
この事例相談者の相談者Bへの思いは、
(起業はリスクも高いので、もう少し慎重になられた方がよろしい)
(定年までまだまだ数年ありますし、感染もいつかは収まると思うので)
(アピールポイントはないとおっしゃっていましたが、そんなことはないと思います)
といった言葉がけに込められているように感じます。
気持ちに寄り添ったからこそ自己開示はしていただけた…
そして専門家からみたリスクをそれなりに伝え、
また長年のキャリアを振り下げていくことで自己肯定感の向上に繋げ、
モチベーションをアップさせていこうと考えたことも理解できます。
選択肢を残しつつ慎重に進めようとした事例相談者の方策は、
決して間違っているわけではないと思います。
しかし、肝心の相談者Bにとって、それがどのように伝わっているのかは分かりません。
相談者Bの要所要所での反応から推測できることは、
相談者B自身がキャリアコンサルタントに伝えたかったことがわかってもらえない、
どこかピッタリと収まらずボタンの掛け違えのようなズレを感じている可能性があるようにもみえます。
ひとつの見方ですが、相談者Bがみているところ、感じているところを、
この事例相談者がみているようで見方が違う、というか感じ方が異なっているまま、
一致することなく、事例相談者の参照枠で理解を進めているにとどまっているようです。
キャリアコンサルタントとしての専門家の視点を優位にした言葉がけよりも、
先ずは、相談者Bがここで本当に聴いて欲しかったことに留まり、
もう少しでいいので、相談者の枠組みを優位にした関わりから、
その人を理解していくような場面を提供できると、
相談者自身が自分を見つめ直す機会につながり、
結果、棚卸しへの動機づけや意味づけにもつながる感じがします。
皆様はどのように考えられたでしょうか。
次回はこの事例相談者の成長のための目標設定と方策を考えてみたいと思います。