全国的にあたたかい日が続いています。
今日の福岡市は陽当たりのよいところに出ると夏の到来を感じます。
肌が弱い方は特に日傘や日焼け止め等が必須になってきましたね。
私事ですが、明日から大阪へ移動するため、
大阪の気温はどうかな…と数日前から天気予報を検索しております。
ここ数日間、関西地区もとてもよいお天気のようです。
この週末に大阪でお会いいただける方、
初夏の陽射しに負けないよう、笑顔でお会いしましょうね♪
さて、今回の記事ですが、
実践においても1級キャリアコンサルティング技能検定の実技試験においても、
特に事例指導と事例検討の異なりについては、
知識的にも技能実践的にも理解を深めておきたいものです。
私の講座においてもここは大事なところとして、
受講者の皆様とご一緒に、
実際の事例指導のあり方や自己のイメージ等に置き換えて考えていただく時間をつくっています。
諸活動の種類、そして特徴やその異同について、
ある程度わかりやすく表現されたものとして、
令和2 年度 厚生労働省委託
「キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書」
というものが厚生労働省から発行されています。
ここで取り上げておきたいポイントとして概要を以下の通りご紹介いたします。
※令和2 年度 厚生労働省委託
「キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書」より抜粋
●事例指導
①事例について面接の流れを理解し、見立てることができ、事例の評価と事例相談者に対する意思決定(助言・情報提供、目標設定の提示、専門家育成能力)
②個人及び集団に対して、教育方法を活用し、個人又は集団に応じた事例指導(適切な介入、課題等に関する論理的・具体的・網羅的で簡潔な説明)
③個々の事例(専門領域を含む)に応じた環境(地域、組織、家族、対人関係やシステム等)の問題点(現状とあるべきものとの乖離等)についての指摘、関係機関や関係者との協力関係を築きながら行う環境への働きかけ、及び解決策や改善案等の介入・指導、が安定的かつ適切にできること。
※特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が1 級キャリアコンサルティング技能検定試験の「試験科目及びその範囲並びにその細目」で提示している実技試験に係る記述内容。
●事例検討
アセスメントや面接等の記録をもとに作成された資料に沿って意見交換し、その事例の見立てや援助方法の有効性を検討する。
すでに終結または中断によって終了した事例について行われる事例報告(case report)のほか、専門誌や研究機関の紀要等に公開された事例報告を活用した「事例検討会」が行われることもある。(三川,2021 より)
以上が上記報告書に示されている説明になります。
このブログをお読みいただいている読者の方のほとんどは、
1級キャリアコンサルティング技能士、
もしくは1級キャリアコンサルティング技能検定試験に挑戦している方だと思います。
実技(論述・面接)試験において、
事例指導の実技の基本ができているかを問われるものですので、
特に上記に示されていることについて、
ご自身の立場でどのように考えているのかを表現できることも重要なことかもしれません。
一例ですが、私が学んできた中で、
事例指導と事例検討の異なりを示してくださった先生がいらっしゃいましたので、
中でも特に気に入っている表現をご紹介します。
※昨年度から講座の中でもご紹介しています。
●事例指導
事例相談者の支援内容や方法の背景等を汲み取り、事例相談者の学びを深めていく共同作業。
●事例検討
対象事例の支援方法を学習者同士で検討。具体的な支援方法の実践知識を養う。
いかがでしょうか。
このように教えてもらったとき、
自分の中でとてもしっくりきて実践に活かしています。
とても短い表現なのですが相当に奥深い。
厚生労働省が示す表現によらなければならない、
キャリア関連の研究をしている先生の表現がいい…等々。
これでは支援者側が視野狭窄に陥りそうです。
そもそもキャリア形成支援自体、対象が狭い世界ではありません。
現場実践に日々携わっているとあらゆる場面で一人ではできないことを痛感します。
だからこそ、諸々の分野、領域などを超え、一つひとつ丁寧に色々な見方や考え、
様々な資源の巻き込み方などを学び続けていくことになります。
少し遠回りのような内容になりましたが、
上記のご紹介した表現は、対人援助職を育成する際の大切な表現です。
本質的でわかりやすい簡潔な表現は、
どんな分野にでも普遍的なパワーを与えてくれていると思います。
今後の自分の諸活動や成長等に向け、
何かしっくりとくる表現等を探してみることも、
試験対策にもつながる大事なことになるかもしれません。
ちょっとしたことが、
ロールプレイや口頭試問などでも自然に出ていると思います。