例えば、クライエントとの面談が終わって、
私たちキャリアコンサルタントが何気なくとっている態度など、
その一瞬の表情や仕草等がクライエントに思いもよらぬ作用を引き起こすことがあります。
クライエントと別れるその瞬間まで、
そしてその別れた後までも、ある意味のある時間(長短は関係なく)、
その余韻の中でクライエントのことを考えていることは、
実は面談そのものよりも大切なことがあるかもしれません。
私たちの面談はクライエントと過ごす面談時間だけを指すのではないと考えてみます。
これは不思議とクライエントにリアルに伝わるものかと思うのです。
一例ですが、
面談が終わった後の別れ際にかける言葉、その時の表情等によって、
その無意識の一瞬が不信感につながってしまうこと。
クライエントの中でこれまでの面談内容に失望を覚えてしまう…
なんてこともあるでしょう。
異なる例では、支援者側が、
(やっと面接が〇〇件終わった…)
(これから面談が一件入ってる…)
と声に漏らすことがあったとします。
こうした意識の場合、
例え、クライエントがその場に不在だったとしても、
実際の面談の中で、ほんの一瞬の表情など…何気にあらわれ、
クライエントが自分自身に集中できなくなることもあります。
こういうことはさすがに支援者側は振り返りにおいて気づけないままにある。
普段の生活でのコミュニケーションとは異なり、
クライエントがその一瞬一瞬にどんな風に何を観て何を感じているのか等、
これをわかろうとしていることは大切な感覚です。
※自分がどうみられているか…とは異なります。
さて、このような視点で事例指導を考えてみると、
それはなかなか難しいことで、
肝心の事例相談者自身がそこに全く意識がなく、
事例指導者も面談の何かをみたわけでもない。
それこそ指導者が憶測でものを言っても、
事例相談者の適切な振り返りを促すことにはなかなかつながらないでしょう。
だからこそ、事例指導者自身が専門家として、
人との対話や他者に対するかかわりのあり方を考える時間を持ち続ける必要があると思うのです。
幾度でも基本に立ち返り、丁寧な学びを通し、専門家としての誠実さを求め、
自身を育てていこうとする軸の力強さみたいなものは、
あらゆる困難さを乗り越えていくための土台づくりとなり、
それは、深い人間味としなやかさを養うことにもつながるのだと信じます。
事例指導の面接も、キャリアコンサルティングの面接も、
良い意味で人と人との対話の敏感さを鍛え、
人のために人のことを真剣に考えられるような優しさを鍛えていく必要があると感じます。
筆者にそうしたところがまだまだ足りないと思うこともあり、
今回は自分自身へメッセージを残しておくために日記にしました。