第12回1級キャリアコンサルティング技能検定試験論述選択問題の事例4(教育機関分野)を使って、
事例指導を実践的に考えていきたいと思います。
このケースを読んだとき、例えば
「短期留学」「9月卒業」「あと2ヶ月」「海外と日本」「エントリーシートの書き方」「留学生向けの秋採用」「アメリカに進出している日本企業」「大手企業」「上場企業」「大手は既に終わっている」「業界を絞ったほうがいい」
こうしたわりと刺激のあるワードを意識することがあるかもしれません。
思考が試験の質問(問い)を先回りしていて、
《問題は何か》へひとっ飛びしているとも考えられます。
《論述は考える時間がそれほど無いから、
とにかく各問に何を解答記述するか自分の考えを早く整理してまとめたい!!》
こんな気持ちが先行するのかもしれません。
ブログで時々記事にしているのですが、事例指導では、
ケース(事例)に登場する相談者の支援を行うわけでもなく、
また、
事例相談者の問題点を事例指導者自身が改善していくわけでもありません。
※ひとつの考え方として書いています。
事例相談者が専門家(キャリア形成支援者)としての自己成長に向け、
自分の事例を通し適当なある局面等を見つけ、
よりよい適切な行動がとれるように考えてみることです。
そしてそのためには、
事例相談者自身が自分の中にある問題を認識できる必要があります。
《他になにがあったんですかね?》
といった次元で不貞腐れるモードではありません。
『考えてみれば…他になにかできたかもしれない!』
と視点を変えてみること、立場を変えてみること、
みるところを変えてみること、
そんなワクワクドキドキの学びのモードになることが事例指導です。
事例指導者自身が、
上記に示したような目立つワードだけに引っ張られてしまうと、
終始、ケース(事例)の対処法ばかりが気になってしまい、
対処法の確認ばかりの質問を投げかけることになります。
そして論述でその傾向が強いとロールプレイもそのようになります。
大切なところ(事例相談者)を見失うこともあるから注意をしたいです。
根底には、キャリアコンサルティングを相談者に提供していくうえで、
このキャリアコンサルタント(事例相談者)のどんなところを伸ばすとよさそうか、
そうした観点で多角的、多面的な視点を活かし考えてみましょう。
論述のケース(事例)記録を手にしたとき、
色ペン等でマークだらけにする傾向がある場合、
かなりケースに入り込んでしまっていると想像します。
雑に書けば、
ケース記録に書かれている要所要所が問題ではないのです。
バクっと表現するとケースは関係ないのです。
※あえて荒っぽく表現しています…。
ケースを手にしたときから、
事例指導者(受検者)が指導戦略を立てることを前提に、
事例相談者の粗探しをしているモードになると、
事例指導の実際の実践につながらない感じもします。
例えば、この事例相談者は、
(できるかぎり本人の経験を活かす就職ができるようにアドバイスをしたつもり)
と書いている(思っている)わけです。
事例指導者が(それは違うでしょ!)と自分の価値観で反駁したところで、
仮に一般にその指摘が正しいとしても、
事例相談者の成長には繋がらないことも多いです。
第13回の1級受検に向けて準備を始めようとしている方もいらっしゃるようですが、
先ずは、過去問の問いだけに注目するのではなく、
「事例指導」の目的を実技・実践で理解し、イメージしてみることが大切だと思います。
特に自身の言葉で、
キャリア形成支援者同士による事例指導のあり方を考えてみることが重要です。
だいぶ大きなお話しになってしまいましたが、
次回はこのケースを活用して、問1を考えてみたいと思います。
お問い合わせをいただいた方々、どうもありがとうございます。
ブログでは個別にお返事することや連絡先などを扱うことができず申し訳ございません。
誠に恐れ入りますが、
お問い合わせはCVCLABホームページからお願いできると助かります。
なお、3月22日以降の第12回1級合格発表があるまでは、
私自身、次年度の対策講座のことは具体的に考えていません。
来年度の講座日程のご案内等は3月下旬頃までお待ちいただければ幸いです。
こちらの都合で恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。