1級キャリアコンサルティング技能検定試験の対策講座などで、

「質問の質を上げる」

「効果的な問いかけをする」

といった表現をすることがあります。

 

業界で著名な先生の受け売りで、

「質問力をあげよう」

というような意味合いのことを受講者様へ伝えることもあります。

 

しかし、

自身の実践に置き換えながら改めて考えてみると、

こうした表現自体に違和感を感じることもあります。

 

ただ質問する力をあげようとすればするほど、

変な方向にいってしまいます。

要するに、目の前の事例相談者に目を向けていないことにもなりますよね。

 

キャリア形成支援者に質問力が必要な場面はあると思います。

特に専門家同士であればこそその必要性が高まる場面もあるでしょう。

 

ただ、

そもそも正しいとする質問などあるのだろうかと。

 

問うこと、

その方法や内容に正しさを求めること自体、何かにとらわれているのです。

 

事例相談者に対して何か糸口が見つけられるよう、

事例指導者が良かれと思い必死になって望ましいと考えられる問いかけをしようとする。

 

場合によっては、

事例指導者がキャリアコンサルタントとして土台となり得るプロセスワークに頼り、

それに沿った質問が整理しやすいと考えていき、

事例指導者なりに一つひとつ点検していくように問いかけを進めていく。

 

事例相談者からすれば、

まるで尋問でも受けているような感覚すら覚えてしまうかもしれませんね。

 

例えば、事例指導者の質問がドタバタしているのは、

《何か効果的な質問をしなければならない》

といった事例指導者側のとらわれから起こっているのではないか…

とロールプレイの観察内容を振り返ります。

事例指導者が質問することを難しいと感じていたり、

何を質問しようかと考えていること自体、

事象や事柄ばかりにとらわれていることにもなり得ます。

 

そうしたことよりも、

目の前にいるキャリアコンサルタントとしての事例相談者に興味関心をふりそそぎ、

一体、この事例相談者はCCとして何を伝えたいのか、ここで何を求めているのか、

原点に戻ってそれを本気でわかろうとすることが何より大事なのではないかと思うのです。

 

自分自身のボールの投げ方や正しいやり方、正しい方向ばかりに気を取られ、

事例相談者がどこに投げてほしいのかという大事な思いを相手から教えてもらわないまま面接を進めていこうとしても、

それは事例相談者が求めている学びの場にはならないかもしれません。

 

明日、受検される方でこの記事にフィットするところがあれば取り入れてみてください。

肩の力をなるべく抜いて、

相手が求めていること、何を言いたいのかということを大切にし、

30分間の充実した時間を過ごしてほしいと思います。

 

1級合格、心から願っています☆