１級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験で、
事例相談者との話しが堂々巡りになり発展的でないとき、
なんとかそこから抜け出そうとクライエント（相談者）を取り巻く環境への働きかけなどに話題を変えていこうとするシーンに出会うことがあります。
《クラエイントの労働環境は？》
《クライエントの家族は？》
《クライエントの上司は？先生は？》
という具合に、
事例指導者（受検者）がケース（クライエント含む）にフォーカスしている状況ですね。
事例相談者が抱えている成長ポイントの本質に焦点を当てられず、
話しをそらしてしまっているような場面です。
このときの事例指導者（受検者）の心境としては、
このままでは試験（ロールプレイ）の時間がなくなる…と考え、
事例相談者が抱える面談課題そのものに向き合うことを諦めたような状況かもしれません。
または、
事例相談者との関係性を過度に意識し過ぎているのか、
ロールプレイをなんとか展開したい…
面接を展開しようとしているところを試験官や相手に認めてほしい…
ということもあるかもしれません。
こうした面接は、
ふたりの関係性を含め、あまりよい状態とはいえないことも多いようです。
例えば、なんとなく面接ができたとしても、終わってみると、
事例相談者として相談したかったことが漠然としててモヤモヤしたまま…
ということがあります。
１級の技能検定試験の面談（事例指導）では、
まずは相談者へのよりよい支援を目指し、
事例相談者のキャリアコンサルタントとしての成長を支援します。
※実際の実践場面でもそれは同じです。
例年、実技（面接）試験実施概要に、
（組織への働きかけ、リファーやコンサルテーション（中略）について気づきを促し…）
と記載されているため、
受検者としてなかなか面接が進展しないと感じたとき、
事例相談者の面談力そのものに向き合うより、
環境への働きかけやネットワークに話しをもっていったほうが、
相手が受け入れやすいのではと考えていくことがあるようです。
これでは、
「相談者に対する面談過程、事例の見立てや対応の方針」
「事例を通して事例相談者の問題を把握」
という大事な視点を避けてしまうかかわりになるのかもしれません。
勿論、実践において、ネットワークや環境への働きかけについて、
事例指導の面接内で検討していくことはあります。
それは、事例相談者が自身のキャリア形成支援での面談力について、
改善点を踏まえ課題を明確にしてからケースを使って改めて考えていくと効果的です。
まずは事例相談者とともに専門家同士だからこそ語り合える内在化された事例相談者の課題を共有する時間に集中したいですね。
ロールプレイのイメージトレーニングは大事だと思いますので、
おひとりの時間も有効に使ってチャレンジしてみてください。