1級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験において、

事例相談者がもってきたケース記録を預かったとき、

そのケースの内容を事例指導者役(受検者)の方が最初から読み出すことがあります。

※「相談者が相談したこと」「キャリアコンサルタントが相談したいこと」に書かれている内容を事例指導者が読み出す等。

 

いかがでしょうか。

 

そんなことどうでもいいではないか…

と、感じる方もいらっしゃるかと思います。

本当にそうであれば、その場を柔軟に感じて対応されていると思いますので自然なのかもしれません。

 

一方で、わりと多く観察されるケースが、

事例相談者から預かったケースを事例指導者が読まなければいけない、

事例相談者にケースの詳細を説明してもらうために、

先ずは事例指導者からケース概要だけでも声に出した方がいい…等々。

 

本当に固まった考えをもって誰にでも同じことをしているシーンがとても多いと思います。

大きな勘違いをしていることもあるかもしれません。

 

例えば、

スーパービジョンの実践場面を想像してみましょう。

 

読者の皆様がバイジー、私がバイザーだったとします。

 

バイジーからお預かりしたケース記録を、

私がその場で音読し始めるシーンが想像できるでしょうか。

バイジーを目の前にしてバイジーの記録をいきなり音読したことはありません。

というか、意識することもないのかもしれませんが…。

 

改めて意識して考えてみますが、

ケースを担当した本人(バイジー)にその場で自分のケースを説明してもらうことがバイジーのためにもなるでしょう。

ケースは私が担当するものではありませんし、そもそもケースを知らないのですから。

 

私が音読したところで(もしくは黙読でも…)、

バイジーにとって何も役には立たない、

それより、バイジーが自分一人でまとめたときよりも、

バイザーに対して声に出して改めて説明することの方が、

バイジーにとって成長効果につながることでしょう。

 

事例相談者がその場にいらっしゃるのですから、

事例相談者本人が自身のケースを指導者に説明するという行為に意義があります。

 

別の視点で考えてみても、

事例指導者(受検者)がケースを読み出すことで、

その場でどんな空気が流れるのか…。

その時間が事例相談者にとって役に立つのであればいいのかもしれません。

 

試験独特の類似した「あるある」お作法行動に、

時計の共有や座る位置調整、

メモ使用に関する丁寧過ぎるともいえる確認、守秘義務の説明、自己紹介のあり方等々、

あれこれと不自然過ぎるとも思える形式的な行動が観察されることがあります。

 

受検者の方がそのようなことを気にしてしまうのはどうしてなのか…。

全て初期化した方がいいと思います。

※私の見解です。

 

なんといっても30分間ですから、

大事なことに時間を使ってほしいと感じます。

事例指導の本来の面接の主な目的が達成されることが重要です。

 

お話しは戻りますが…

トラウマ的な体験として事例相談者役の方へ、

「ケースの説明をお願いします」

とお願いしたら、

 

(そこに書いてあるんですけど…)

(書いてきたことを読むんですか?)

 

と抵抗・反発を受けたことがあるので。。。

このようなことを複数の方からお聞きしたこともあります。

 

だから…

事例指導者(受検者)がケースを読めばいいのでしょうか。

 

別に要因があるのかもしれません。

 

そもそも、

果たして事例相談者の抵抗といえるのでしょうか。

 

事例指導者(受検者)の思惑通りに面接がすすむことは皆無に等しいと思いますし、

事例指導者の面接の枠組みで臨むことでもありません。

 

試験はとても緊張するかと思いますが、

それでも、できる限り普段通りの面談を意識して試験に臨んでほしいと願っています。

1級受検、心から応援しています!!