本日は大阪会場で今年最後の講座を開催いたします。

 

令和4年も本日含めてあと7日間。

読者の皆様にとって今年はどのような一年間でしたか?

 

年末年始に向け、なにかと落ち着かない日々が続くこともあるかと思います。

くれぐれも体調に気をつけて、残りの7日間、素敵な笑顔でお過ごしください。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験に口頭試問がありますが、

この口頭試問のひとつの考えについて触れてみたいと思います。

 

結論から記すと、

『自己の振り返りというものは自分中心に自身の巧拙を考えることではない』

という表現がわかりやすいかなと考えました。

 

自分の出来不出来にしか注意が向かないのはまずいと思います。

 

事例指導というセッションは、

事例相談者と事例指導者の共同作業であり、

二人での面接の場合、

その二人の間に起こる作用を意味づけてみることのできるスキルが大切です。

 

「今回のロールプレイ(面接実践演技)を通して、あなたの…」

 

と問われたとき、

自分のことを中心によどみなくすらすらと言葉を発している姿は、

観察者や試験官等の第三者からみると違和感を覚えることがあると思います。

 

《ああ…口頭試問を何かの台本通りにたくさん練習したのですね》

《口頭試問の答えを予め準備しているのだな》

《そんなにすらすら言葉にしてわかっているのならロールプレイ実践でやればいいのに》

 

くらいにしか感じられないこともあるでしょう。

 

これではせっかく1級合格を目指してやってきたことが勿体無いことになりそうです。

 

実際、ロールプレイも実践も全てが異なります。

ケースをみるわけではなく相手をみるのですから全て異なって当然です。

 

試験という特殊な環境ではありますので普通通りにはなかなかいきませんが、

なるべく普段の面接スタイルで臨むことを目指してほしいところです。

 

すると面接内容自体がその場でしかわかりませんので、

予め口頭試問を型にはめて練習することはナンセンスです。

 

その場・ライブで起きていること、

そこで感じたこと、考えていることを口頭試問に反映させて答えていくだけでいいのです。

 

思い出しながら語るのですから辿々しいくらいの方がむしろいい。

※意図的に辿々しくするということではありません。

 

その場で責任ある言葉を選び考えながら答えてほしい。

これは大事だと思います。

 

受検のためになにか練習することは必要だと思いますが、

変な練習になってしまうとそれが試験で出てしまいます。

 

練習するのであれば、

実際のロールプレイをライブ実践し、

その直後にそこで起きていたことを面接要点毎に振り返り、

事例指導面接の基本過程に沿ってその振り返り内容を言葉にアウトプットできる練習が効果的です。

すると同じ答えなどはないはずです。

 

最後に自己中心的になっている回答の例として挙げると、

 

《よかったところは…事例相談者の方のお話しを受容的な態度で受け止めながら進めることができたので関係性はできていたと思います。

改善点は…後半になって時間配分が悪かったこともあり、こちらの視点を気づかせていくためにもいささか強引にお話しをもっていってしまったところがあるかと思います。》

 

いかがでしょうか。

 

ここでテーマにしているのは口頭試問の具体的な回答内容ではありません。

 

ここはもっと深めてこう言った方がいい、

もっと具体的で明確にした方がいい、

 

そうしたことをここの記事で書くつもりではないのです。

 

上記回答例は、全て自分にしか目がいってないということに気づかれますか。

 

自分の面談のよかったと思うところ、改善したいところを、

単に自分の手柄のように表現していることがわかるかと思います。

つまり相互作用を取り入れてない回答なのです。

 

二人の30分間、いや、事例相談者の30分間だったはずなのに、

口頭試問では自分(事例指導者の巧拙)にしか目が向いていないとなると残念なことになりそうです。

 

事例指導の場は、事例相談者の成長支援が大きな目的であり、

全ての問いにはその評価の要点が盛り込まれているのだということを忘れないようにしたいです。

 

本日の講座に参加いただける方は、

こうしたところを少し意識してやってみていただけると、

また、いろんな発見があるかもしれません。

 

会場まで気をつけてお越しください。

皆様とクリスマスの日に学べることを嬉しく思っています。