まるで価値観等の異なるタイプのひとのことを苦手だと思うことはありますか?
ひとの顔や表情、目つきや雰囲気、声のトーンやペース、諸々の癖等、
そうした様々な情報等から醸し出される刺激にネガティブな影響を受け苦手感覚のスイッチが自分の中で自動的に発動する。
これはある意味仕方がないようにも思います。
多かれ少なかれ誰でもあることではないかと感じます。
※普段の生活等ではこうした敏感なフラグ立てがリスク回避にもなり必要なことでしょう。
ただ…
キャリアコンサルティングやカウンセリングをおこなう専門家としてはいかがなものでしょうか。
本来ならこれを建設的に活用することが必要なときも多いですよね。
簡単に書くと、
相手が自分と異なるわけですから、
いろんなところでわからないことばかりでしょうし、
それが新たな発見にもなります。
そしてひとの奥深さやその背景などにも様々な関心を持つことも可能でしょう。
要するに普段では出会えない瞬間が得られます。
偶発的な経験と学び、その対応等を考えていく場面を得られることでしょう。
もしこれを《なるべく避けている》となると専門家として訓練にもなりませんし、
いつまで経っても上達しないことになりそうです。
自分にとってバランスの優れた気持ちのよいひと、ウマの合うひと、わりと好きなタイプのひと…
心地よい時間…
そうした選り好みをしたようなトレーニングだけでは実践的な向上が期待できないと思うのです。
乗り越えていくことも大事かもしれません。
話し相手から何かしらの刺激を受け、
それを自分自身がどんな風に感じたり思ってしまうか…ということは、
結局自分となにかを比較して考えてしまうことになりますよね。
雑な表現をすると、
専門家として面談の場に居るとき、
そんなことはどうでもよいことなのかもしれません。
自分が相手を苦手に感じることではなく、
どのような相手でも、
そのひとがどんな風に感じているのか、
どのように考えているのか、
これを分かろうとすることが専門家のひとつの大きな役割だと思います。
その訓練ができていないと、
話に出てきた事柄にお互いが注目してしまい、
そこに付随する価値観や経験値の違いが出てきて、
お互いに居心地が悪くなるだけでしょう。
実に悪循環なことになりそうです。
専門家だからこそ、
『ひとはひと・わたしはわたし』
と爽やかに割り切れる訓練がキャリアコンサルタントに必須のスキルなのだと考えています。
だからこそ、
相談相手のことを極自然体で理解しようとできるのではないでしょうか。
それは目の前のひとの思考や情動を邪魔しない大切なかかわりになるのだと思います。
どのようなひとのお話しでも片肘張らずにゆるりと受け止めてみてはいかがでしょう。
私たちが解決できるわけではないのですから。
1級キャリアコンサルティング技能検定面接はそんなスタンスでも臨める試験であると思うのです。