1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述問題に向き合うとき、

文字情報を平たくみるのではなく実際の事例指導の場面をイメージしてみることが大切だと思います。

 

どのように解答を書けばいいのか…

 

正解のない問いをしてみても、

この時期になってくると尚の事時間がもったいないことになりそうです。

 

過去問事例を使いながら自身で何をテーマに事例指導を考えてみたいのか…

具体的にしてみることも実践的で面白いと思います。

 

それは事例指導実践の本質を考えていくことにもつながり、

こうした取り組みが試験対策として最も効果的なのだと感じます。

 

人は、自身の知識や成功体験等をもとにメッセージしていることが多く、

それぞれ異なっているのが自然だと思います。

 

このブログ等のことも含め、他者のメッセージ等は、

『そうした考えもあるのだなぁ…』

と、この程度の理解や解釈で良いと思うのです。

 

どんなにすごいと言われている先生の言葉も、

そのまま受け止めてはならないことは多いと思います。

 

先ず、自分自身のオリジナルの考えをひき出していってください。

それが圧倒的に有益な試験対策なのだと思います。

 

さてさて…

 

今回の記事タイトルは、

事例指導者として論述問題を取り組むうえでポイントになることだと考えています。

 

事例相談者が事例指導に漠然としながらも意志表示していることがある(記録に記されている)のですから、

少なくとも事例指導者がそこに焦点をあてていくことが事例相談者にとって大事なことになります。

それが改善可能な側面になるのだと思います。

 

事例指導者が自分の視点だけで考えたことを事例指導の土台にしたところで、

事例指導の実技としてはいかがなものかと思います。

 

事例相談者もそんな指導者だったらちょっとご遠慮願いたい…

という感じになるかも。。。

 

事例相談者の考えを中心にし、背景を汲み取っていきながら、

事例指導者のちょっと異なる視点をそこにあわせていく感じが大事なのかなと思います。

 

例えば、事例相談者が

(他にどんなやり方があったのか、今後にも役立つ指導を受けたい)

という漠然とした意志が描かれているとします。

 

さらに事例相談者が知りたい情報等であろうものがなんなのか、

事例記録から2〜3程度、具体的に推測しながら文字化してみることもできますよね。

 

これは事例指導者の事例相談者に対しての見立ての力にもつながるのです。

 

事例相談者が把握している相談者の問題は、

例えば、人生面なのか、仕事と生活(家庭等)なのか、人間関係なのか等、

そうした下位のところを事例記録からも捉えることができます。

その全ては事例相談者の支援者としての立場で理解していこうとする過程が大事です。

 

これは論述試験の選択問題にでも役に立つ指導者の考え方になると私は思います。

 

事例の面談経過から事例相談者ができているところを肯定的に受け止め、

専門家としてのストレングスを見つけ出し、

そこに意味づけをしていくことは有益です。

だからこそ、改善点となる建設的なフィードバックも生きてくるのです。

 

面談経過から上記のところを読み取ってみるだけでも、

事例相談者が特に知りたいと考えていることが事例記録から明確に伝わってきます。

 

このように事例内容を考慮しながら問題を整理してみれば、

事例指導の計画は立てやすいでしょう。

こうした作業は事例相談者との共同作業なのです。

 

論述試験の事例問題も面接試験のロールプレイも、

そうしたところは実技として重なるところがあるものです。

 

事例から単に事例指導者視点だけでの問題をみるだけではなく、

事例指導者としての考え方として、

事例相談者の改善可能な側面に焦点を当てることが、

良質なコミュニケーションと相互作用を生み出すのでしょう。

 

ぜひ考えてみて欲しいと思います。