昨日は大阪の会場で受講者様と事例指導の実践について考えて学びを深めています。
受講を予定していた一部の方がお休みされ、結果的に昨日は15名様の方とご一緒することとなりました。
初めてお会いする方が数名いらっしゃり、
改めて共通した学びのテーマを持つ楽しさとパワーを感じました。
皆様のおかけで充実した時間を過ごすことができ感謝しています。
そして早々に講座の感想をいただいた方もいらっしゃいます。
皆様からいただくメッセージは私にとってかけがえのないものです。
講座を企画開催してよかったと心から感じる瞬間です。
お気持ちをよせてくださりありがとうございます。
さて、今回の記事について書いていきます。
1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述問題では、
選択事例において「ネットワークや環境」を問われています。
この試験ではネットワークと環境への働きかけの問いが分かれていた時期がありましたが、
ある年度からこの問いが合体して現在に至ります。
何度も記事にしてきましたが、
ネットワークや環境の意味合いを理解して考えていかないとごちゃ混ぜな解答になることがありますので注意したいところです。
ただ、どのように考えることがよいのかを記事に書いているわけではなく、
一人ひとりで考えていくところに意義があるので、
ひとつの考えとしてお読みいただき、何かの参考になれば取り入れてやってみてください。
事例指導は事例検討とは異なります。
ですからひとつの事例の対処方法をただ考えていくだけに留まってしまうことではありません。
しかしながら事例を活用して事例相談者が事例指導者とやり取りをしていく過程で自分の中で気づくことも多々あります。
「環境」については、
まさにこの事例に描かれた相談者(クライエント)を取り巻く環境や、
新たに創造していく環境などをリアルに考えていくことで、
他の事例に置き換えたときにでも、この事例で気づいた視点を今後の支援においても持てるとよいわけです。
『この事例相談者が相談者を支援するために必要なもの』
として事例を使い環境への働きかけを具体的に考えていくことが、
事例相談者の支援力の奥深さや幅広さなどにも役立つわけですね。
ある意味、こうしたところは事例指導の中での事例検討として考えていくことも有益なセッションになります。
大切なのは事例相談者のその気づきを他事例にも置き換えて考えられるようにすることです。
そうしたことを根拠の解答スペース等に記していくことは実技としてありだと私は思います。
昨日と同じ事例を使い考えてみましょう。
事例に描かれた相談者は個人的なことで職場に迷惑をかけることはできないと考えているような発言があります。
相談者は今のお仕事が根本的に嫌だとか退職したいと考えているようではないみたいですよね。
揺れている様子がうかがえるかと思います。
相談者は職場に自分の大事なことを相談できないまま、
転職を考えていくということについてどのように考えているのでしょう。
何か思い込みのようなものが邪魔をして、
本来の相談者の価値観や経験値が発揮できていない状態にあるようにも考えられます。
社会福祉士のお仕事をしていれば周囲への相談がどれだけ大事なことになるのか、
おそらくこの相談者は知っているようにも思います。
きっと日頃のお仕事を通じ、施設利用者やその家族等の経験から代理体験をしているものと推測もできます。
それを今の自分に置き換えてみることで、
相談者自身が先ずどのような生き方ができそうか、
今の自分の置かれた環境を踏まえ、より適切な考えと行動を見出すことができるように感じます。
それが転職という決定になるのか、
ここは大事なところですね。
専門の医師の意見や家族の意見なども踏まえて総合的に考えていく必要があるタイミングかもしれません。
また、事例相談者が直接介入できることとしては、
仕事と介護を両立されている方やその家族を動員する参加型ワークイベントの企画等がありそうです。
ファシリテーターに仕事と介護について研究している先生をお呼びしたり、
その支援の実践家の方にイベントをお手伝いいただくなどして、関係者を新たに巻き込むことで、
相談者の視野が広がっていくような環境作りをすることもできます。
仮に就業時間などが規則的な職場が見つかったところで、
仕事と介護の両立については状況次第で変化していくこともあり、
本質的な解決にはならないこともあるでしょう。
今回のような相談内容のとき、
相談者の孤独感を根っこから緩和していくための環境創りが必要になるように感じます。
この事例相談者がこれから多くの相談者を支援していくうえで、こうした視点は必要なことになるのではないかと考えています。
ここに書いているのはひとつの考えですので、
読者の皆様も色々考えてみてください。